実は私のお腹の中で、初めて赤ちゃんが育ってくれています。このたび37週を越え、生産期に入りました。
長くこのブログに付き合って下さってる方は、今「??? は?」ってなってらっしゃると思います。事情をご存知でない方、よろしければこちらの「続き」をどうぞ。
神奈川にある不育症専門のクリニックに一度は勢いで予約を入れたのですが、3ヶ月先の予約日を待つ間に冷静になり、取り消しちゃったのです。私はもう40代で、自然妊娠率は5%以下(うちは夫婦二人とも性的に肉食系なので回数自体が多く、それでも2回妊娠しましたが)流産率40%以上、ダウン症発生率1/90以上、子供を得るまでの確率があまりに低いため、治療することに(可能だとして)意味が無いと判断したためです。それに普通の病院で受けられる検査結果にとりたてて原因が見当たらないため、夫婦どちらかの染色体転座の可能性が高いと考えていました。最近になって、染色体検査をしてもどちらに転座があったのか教えない病院があったり、聞かない選択肢もあるなど、いわゆる「犯人」をはっきりさせないことも出来ると知ったのですが、当時ははっきり言われるものと思っていたので、曖昧なままにしておこうというのが共通意見でもありました。私自身、そして親族のことを色々考えれば、心当たりのようなものがあり、十中八九私の方だろうと思うのですが……。転座の場合、当たりを引くまで妊娠、流産を繰り返すしか無く、心の折れた私には到底無理なことでした。(これも最近知ったことですが、不妊治療の着床前診断で正常な受精卵か、転座卵か見分けることもできるそうです。夫婦どちらかの染色体が転座していても、正常な受精卵を戻すことで無事に出産まで持って行くことが可能になるみたい。すごい時代になってたんですね。不育症ではあっても不妊症ではなかったので、不妊治療のことは調べていませんでした)
そんなわけで、独身時代〜結婚2年目まで飲んでたピルを避妊のために飲んでたのですが、今年の始めにまだら飲みしてしまい、飲み止めていました。ピルは毎日同じ時間に飲まなければ効果がなくなるものですが(中用量、低用量、超低用量、ピルの種類によって、一定時間内に飲み忘れに気付けば対処できる)気付けば何日何曜日に飲み忘れたのかさえ曖昧な状況で。←こういうのをまだら飲みと言います。
自然妊娠率が低いと高をくくってたので独身の頃ほど神経質に管理してなかったのが一番の原因で、飲み止めて4日後に生理(通称で生理、とは言いますが、ピルを飲んでいる間は排卵がストップしてますので、正式には消退出血といいます)が起こり、その初日に次のシートを飲み始めなければ避妊効果が切れるというのにそれすら忘れてしまってたんです。でも大して気にもせず、面倒だしそのまま飲まないでいました。
4月、気付くと生理がなく、3月のが遅れたうえ量もちょっぴり、3日で終わったっていうのもあり、「生理? 終わっちゃったよーヾ( ̄∇ ̄=ノ 」と言っていた年上の友人に閉経ってどんな感じだった?などと聞いていました。
卵子は生まれたときから数が決まっており、そのため妊娠中排卵が止まってた経産婦より、定期的に排卵し続けた妊娠経験の無い女性の方が閉経が早いと一般的に言われています。私は若い頃から30日〜3ヶ月くらいの生理周期だったし、ピルで排卵止めてた時期も長く、そう早く閉経しないかも、と思ってはいたんですが、早期閉経、って場合も有り得ますし、年齢的に妊娠よりそっちを疑うのが普通だったんですね。
それがゴールデンウィーク前当たりから絶不調になり、食べても食べなくても気持ち悪く、ネットでちょっと調べて「逆流性食道炎とかいうやつかも……」「じゃあ病院行った方がいいね」などと頓珍漢な会話も交わしていたんです。でも生理が遅れてるってことでなんかイヤ〜な予感がして判定薬使ったらビンゴでした。何が閉経、何が逆流性食道炎……。いやもう少し若かったら、真っ先に疑ってたと思うんですが。
ああ、また麻酔切れ際のあの激痛に耐えるのか……とものすごい落ち込みました。不妊症専門医とかだと、40代の自然妊娠など無いものと考えてるって聞いてたのに。心拍を一度でも確認するとそのあとの鬱も酷いし、死んだと確信したら(何度も流産を繰り返すうち、体調の変化で大体わかるようになりました)病院行って術日決めてもらおうと思っていたのにいつまでもだるだるで気持ち悪くて眠くて体調が楽にならないなーと思っていたら、突然生理二日目みたいな出血がどばっとありました。
すぐに止まったんですが、ああ逝ったな〜と思い、翌朝バイト行く前にいつものクリニックに予約取りに行ったら、先生学会出席のため臨時休業でした。なら明日でいいや〜と悠長に次の日行くと、先生「10w4d……。来るの遅かったね。生むかどうか悩んでたの? あー……出血……それでか……」前回もそうしたので、心拍を確認したくない気持ちをすぐに悟って下さいました。
なのに内診すると「森川さん!! 赤ちゃん、生きてるよっ!!!」と先生が叫び、画面を見せて下さいました。(心拍が止まってる時、この先生はエコーを見せない)手足が出来て、ゴーゴーダンスしてるみたいに上下にぴこぴこ振っていました。
何度も何度も妊娠しましたが、手足が出来るところまで育ってくれたのは初めてで、声を出して号泣してしまい、顔見知りの看護士さんたちがずっと肩を撫でてくれてました。ただ泣いてる私以上に先生がものすごくはしゃいでらして、随分長いことエコーを確認されてたと思います。この歳になると、結構医者からも厳しいことを言われるって話を聞くのですが、先生はネガティブなことはひと言もおっしゃらず、「今回は育つ! 生まれる!」を前提に話を進め、分娩まではしないクリニックなので「どこの病院にする?! 君の場合は大学病院がいいよね?! 二つあるけどどっちがいい? こっち? こっちの大学病院は14週までに予約しないと……あー検査してるとギリギリだ、次までに母子手帳とチケット貰って来て! で、今日提出してもらったことにして、検査も今日やっちゃおう!! で、次までに紹介状書いておくから、今日帰ったらすぐに予約の電話して!」
……と、まだだらだら泣いているだけで状況があんまりつかめてない私に、先生はカルテとか振り回しながら立石に水で言い、最後にずいっと近づいてきてひそっと「……相手、同じだよね?」
「……同じです」とさすがに吹き出してしまい、涙も止まりました。
出血は止まってましたが、胎内にまだ血の影があるので、これが出てしまうまでは安静にしてよう、と言われたのが5月後半から一月バイトを休んだ理由です。
それでも「どうせ死んじゃうんでしょう?」という思いはなかなか消えず、普段は100〜110代の血圧が検診前だけ140とかになって、「君、完全に検診がストレスになっちゃってるね(´・ω・`)」と言われたりしました。まだ生きてるのか、もう死んだんじゃ……と一日中考え、鬱っぽくなって突然泣きだしたりして主人に心配かけたりもしてました。「あなたの戌の日」という紙をクリニックで貰って号泣し、安産祈願中にぼたぼた泣いて不審な人になりと、精神状態もちょっと不安定だったんですが、胎児ドップラー(家庭用超音波心音計。自宅で心音が確認出来る。一万円くらいです)買ってもらって、不安になったらすぐ自分で心拍確認出来るようになると、少しずつ治まりました。私には楽しいマタニティライフなんてない、運良く生まれるまで、ずっとこんな調子なんだと思ってましたが、胎動が激しくなるに連れて気分も晴れてきて、素直に楽しみだなあと思えるようになりました。
こういうわけだったので、バイト先の人、「やらかしちゃった」と愚痴った友人の一部 は今回の私の妊娠を知ってましたが、親兄妹にも話が出来たのは8ヶ月に入ってからです。退職してから。実母をがっかりさせるのが嫌で、無事生まれたら言おうと思ってたんですが、入院(分娩)のための保証人を義母にお願いしたので、バランスを取って話したんです。女の子だよ、と言うと、孫が男の子ばかりで、女紋を継ぐ子が絶えたねーと寂しそうだった母が感情を押さえ込みながらも(多分、大喜びしちゃうとまたダメだった時に私が余計に傷つくと思ったんだと)すごく喜んでくれたのが嬉しかったです。
これまでのことを知ってる友人は「ここまでくればもう大丈夫でしょう」というのですが、不育症はここから先も突然心拍が止まる可能性があります。その恐怖はもう生まれるまでずーっと澱のように心に沈んでるんだと思う。ちょっと胎動を感じない時間が長いと、すぐあわあわして胎児ドップラー使っちゃうし。
それでも大きくなったお腹を見て「おめでとう!」と言われると素直に「ありがとうございます!」とやっと言えるようになりました。
↓は、実は随分前に出来てたんですけど……。
夢だったんですよね、赤ちゃんのためにおくるみ編んだりお洋服を縫ったりするの。イメージでは大きなお腹で、時々撫でたり話しかけたりしながら編み物、って感じだったんですが、また途中で心拍がなくなったとき、着せて見送ってやれるようにと8月の終わり頃には編み始めたんです。
こないだ洗ってアイロンかけてそのままパッキングしちゃったので、その前のものです。赤ちゃんのおくるみですが、立って歩くようになったらコートになるんです。可愛いでしょう? 初心者には……? と先生には言われたけど、編み物の本でこれを見つけた時、これ以外のものは考えられませんでした。本の写真では、赤ちゃんの足先が裾のレースからちらっと透けて見えて、手も袖口から出てなくて、すごく小さくて可愛く見えたんです。
かぎ針初心者のぶっつけ本番で、横幅はゲージ通りだったものの若干身ごろが寸詰まりになったので、裾のレース部分を1段多く編んでごまかしております。(先生案)5個で1パックの毛糸2パック買うと1つ毛糸が余るので、ついでに靴下編みました。これは別の本で見つけた編み図で、棒針だったのであっという間に編めました。ちゃんと踵部分もあります。
さらに余った毛糸でカチュームも作りました。入院中に使おうと思って。ネットに上がってた無料編み図を、mozuとか観ながら編みました。ほんとはもっと細い糸なのでレースがはっきりしてて可愛いのです。そのうち濃いめの細い糸で同じの編みたい。
mozuはあんまり興味なかったんですが、映画の番宣的なバラエティで、西島さん香川さんが素知らぬ顔で浅草を歩いたり一般人の背後から現われて驚かすみたいなのが面白かったので興味を持ったんです。けど、なんていうか……厨二的っていうかラノベ的っていうか……私には合わないようだったので、シーズン2の1話目で観るの止めてしまいました。