お経を読む乳児
今月二十日は父の命日で、七回忌なので、家族で帰省しました。
我が家は浄土真宗本願寺派のお寺さんでお葬式や法事を行う家なのですが、七回忌は重誓偈(じゅうせいげ)というお経?を全員で読むものなのだそうです。
一本調子のたんたんたんたんたーんという音を基本繰り返すものですので、(出だしの我建超世願という言葉はがーごんちょうせいがーん、という感じに)お経の本を見ながらですと経など読む習慣のない我々にも簡単に唱えられるものなのですが、開始してしばらくして、娘が皆の声に合わせるように声を出し始めたのです。(一本調子なわけではない)
漢字五文字の繰り返しの合間、息を入れるときには声を出しません。
大勢が不気味なほど一本調子の声を出してるので、自分も出してるつもりなのかなと可笑しく思っていると、どうやらみんなそう思ったようで、娘の方を笑いを堪えるような顔でちらっちらっと気にしています。
最後お坊さんの説法になったとき(このお坊さんすごくお話が面白くて、皆結構楽しみにしてるのです)「一緒にお経を読む赤ちゃん、久々に見ました(^_^)」と言われました。
時おり、ただ声を出して機嫌良くしているだけでなく、一緒にお経を唱えているようにしか思えない赤ちゃんがいるのだそうです。
父の孫達の中で、私の娘だけ父に見てもらうことが叶わず、唯一の女の子の孫で父が知れば喜んだだろうに……と親族みんなに言われていたのですが、このことは特に命日ですから、亡き父と娘の繋がりを、私も含めてみんなが強く感じる出来事になりました。
なんだかほっこりしたような、ゆるーい優しい雰囲気になってて、その後の昼食では父の思い出話もしんみりするようなエピソードはなく笑い話ばかりになり、楽しかったです。父も欲しがってた孫娘にお経を唱えてもらって嬉しかったかも知れない(*^^*)