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Category: 本

Skybound

my神のm/mレビューブログを見て以来、読みたいな〜と思っていました。

小説ディアプラスナツ号の内容が公開されたとき、「新作」とあったので、新作で読み切りに出来る長さの短編ということは、訳があの方である限りこれが来る可能性が高いな、と期待していました。予想的中で嬉しいです。

舞台は1945年、ドイツ。

連合軍に押されて敗北間近のベルリン近郊にある(と思われる)基地の、パイロットと整備兵のお話。結局最後まではいってないので、断言はしかねますが、おそらくパイロットであるバルドゥルが攻であろうと思われます。

いや、すごく面白かったです! 不満は、洋書と同じく左綴じ(つまり、背表紙側から読む)で、横書きであることと、私の好みじゃない挿絵。邦訳してあって日本の雑誌なんだから普通に縦書きにして欲しいです。多分、読者のうち何割かは、読みにくいという理由で手を付けないと思うな。一応感想は畳んでおきますね。

テラフォーマーズ

楽しみにしてたのに、五巻出てるの全然気付きませんでした! コンビニに寄った主人から「もう買った?」って電話あるまで><

物語の系統としては、「進撃の巨人」系だと思います。人類vs巨人=ゴキブリ人間という。そう、「テラフォーマーズ」における人類の敵とは、すなわちゴキブリなのであります。

21世紀のなかば、火星の地中に大量の二酸化炭素があるのがわかったので、火星を暖めて地中の二酸化炭素を流出させ、温室効果で気温を上げて……というテラフォーミング計画が持ち上がり、改良したした苔と、同じく改良したゴキブリが送り込まれたんですね。500年が経って、火星がいい感じになってきたので、ゴッキーを駆逐して人類が乗り込もうと思ったらゴッキーが思わぬ進化を遂げてて、逆に人類が駆逐されたという。このゴキブリ人間の進化に、なにやら人の思惑が入っていそうなところも「進撃の巨人」系かもしれません。そしてイケメンが容赦なく死んで行く……(☍﹏⁰)。

無防備に駆逐に出かけた第一陣が全滅してしまったので、彼らと互角に戦う能力をつけるために昆虫の遺伝子を合体させて強化した人間が主人公たちになります。主人公は……燈(あかり)ちゃんなのかな? 小町とW主人公なのかな? 一巻は小町小吉という青年が主人公だったんだけど、二巻以降はそれから20年後くらいになってて、小町は40超えてるのです。イケメンには変わりないけど、女性より男性にもてるらしいので、どういう系統のイケメンかは想像つくかと思います。私はもちろんタイプです。

ドイツ・南米第五班班長のアドルフさんに泣きました。あの浮気妻め……annoy 私は健気なエヴァ押しだったので、心痛まずに済んだけど。死亡率が異常に高い仕事だし、情が湧くのを恐れて部下とは一線を画して付き合い、常に冷酷に振る舞ってるのですが、実は非常に熱く情の深い性格。本人の思惑とは裏腹に、そんな班長を実はみんなが慕ってて、俺を置いて逃げろと言ってるのに逃げてくれないとか……! みんなの気持ちも痛いほどわかるけど、ほんとは部下が可愛いアドルフさんの気持ちを思うと号泣ものです……。゚・(>﹏<)・゚。

ところで、燈ちゃんの親は誰なんだろう? 少なくとも片親は絶対知ってる人のはずなんだけど。両親ともパグズ2号の乗組員で、試験管ベビーだったとしたら、やっぱあの人らだよなあと思うんですが、片親だけがそうだった場合はティンさん希望です。哀しい生まれ育ちだったと思うので、せめて愛する人を抱きしめたこともあったんだと思いたくて。(なので根拠は全然ない)

すごく面白いマンガなんだけどな……ゴッキー含めて昆虫駄目な人には絶対薦められないから残念。

ちなみに私は、ゴッキーを見つけると「殺ってやるぜ!!」と闘志が燃え上がるタイプです。残念ながら猫さんズも「殺ってやるぜ!!」なタイプらしく、ここ十年で3〜4回見かけたヤツらはすでに死体でありました。なので私の華麗な戦闘力は、実家に夏帰ったときくらいしか発揮されないのです。

キスミー エンジェル

著者のスーザン・エリザベス・フィリップスはアメフトチームを中心にしたシリーズが多分有名なんだと思いますが、私にはあまり合わず忘れ果てていて、今回この「キスミー エンジェル」がすっごく面白かったので、この著者さんどんな他にどんな話を書いてるのかなとぐぐってみて「あっ、あの面白くもなかったアレのあの人か」とびっくりしました。

ヒロインは元売れっ子ファッションモデルの奔放な母にかなり特殊な育てられかたをした娘、デイジー。突然の母の事故死に打ちのめされ、病的な浪費癖に陥り、自分の資産も知らないまま小切手を切り続け、ついに逮捕されることに。助け手は実父(ロシア系アメリカ人)ですが、この借金を帳消しにするかわりにある男と六ヶ月間の結婚生活を送れという。

相手は実父と同じロシア系アメリカ人のアレックス。新郎の名前も憶えていない状態で結婚式に挑み、そのまま連れて行かれたのは、なんとサーカスの興行場。ヒーローは移動サーカスのマネージャーだったのです──

最初は軽薄な金持ちのわがまま娘だと思われていたヒロインですが、実際はかなり前向きな子で楽天家。ここがこれまでの生活においてはオツムの軽い落ち着きのない娘だと思われる由縁だったのでしょうが、逆境におかれるとこれは大変な強みになります。陥れられ、誰からも信じてもらえず、夫には冷たく当たられ、友人も出来ず、慣れない労働に肌も髪も荒れ放題で疲れ果てながらも、ヒロインはさぼったりもせず楽しようともせず真っ当に仕事にあたり、人よりも先に動物たちと心を通わせていきます。ほんとにくたくたなのに、問題点や改善すべき点なども厳しくチェックしていて、ただ漠然と仕事をしているのではないこともわかる。ものすごい生真面目で目端が利いて頑張りやの子なのですよ。読んでて、ヒロインの味方にならない読者はいないと思います。動物たちはそういうところをちゃんと見抜くんですね。

ペットがいる人にはおわかりだと思うんですが、動物ってほんと癒し効果ありますよね! ヒロインがこの逆境に負けず頑張れたのは絶対彼らのおかげで、ヒーローの存在じゃない。最初は動物たちにも嫌われていると思ってたヒロインですがどんどん世話にのめり込んでいくようすが、ほほえましくもありますが、すごくうらやましくもありました。

ヒーローはやはり幼い頃色々あった人間で、愛する、という感情がよくわからない。次第にヒロインに惹かれていっても認めようとせず、さんざんヒロインを苦しめます。終盤にそのせいでヒロインがとうとう壊れてしまい、それで初めてヒロインへの愛を認め、罪悪感を抱き、なんとか償いをして、ヒロインの愛をもう一度得ようと頑張るんだけど、遅いよと。ヒロインには可哀想なんだけど、私正直すっきりしました。ヒロインのこの姿を見て、もっと苦しむがいいよって。ぶっちゃけ虎のシンジュン、お前がヒーローでいいよって何度も思いました。シンジュン、いつ人型にシェイプシフトするのって(笑)

パラノーマルではないのでシンジュンは人型にはならず、なんだかんだいってもロマンス小説、最後はもちろんハッピーエンドです。天罰が下るがいい!と思い続けたヒーローですが、あの反省っぷりですし今度こそヒロインをちゃんと守るだろうと許してやることにしました。(超上から目線です)でも私はシンジュン×デイジーを押すけどね! 彼はヒーローよりヒーローっぽかった。

ちょっとひっかかった点は、ネタバレになりますが、ヒーローが二重生活を送っていた点です。ロマンス小説にはヒーローが貧しくてはいけない理由がなんかあるのですか? 最終的にはヒーローの財力が必要な局面があったわけですが、どうしてもヒーローに社会的地位の高い職業を用意しようという点には、なんか俗っぽさを感じてしまって(著者もですけど、読む人の俗物根性も考慮しているのかもしれないと感じる点が)、純粋にロマンスを楽しむための弊害になりました。別にサーカスのマネージャー一本で生きてる人でいいじゃんと思うんですが。

でも不満はそのくらいです。多分定期的に読み返したくなると思うので、買って手元に置いとこうと思います。heart01シーンはこれまたゴールデンタイム放送の洋画劇場(R指定なし)のベッドシーン程度のものですので、ロマンス小説苦手な方にもおおいにおすすめします。

真夜中シリーズ読了

三冊とも読み終わりました。

今後シリーズが続くのかどうかはわかりませんが、とりあえず三作品ともH/H共に同じタイプであるように思いますので、あまり長く続くと飽きがくるかも知れません。事件らしきものは三作ともあるんですが、そんなものを読ませる小説ではないので、ロマンス部分だけ重視してあとはあっけにとられるほど簡単に短く、清々しいほどの力技で解決。(でもそれが気に触ることはありません。ハードボイルド小説ではないので)この三部作で終わりのほうがいいような気もしますが、けど、あえてあと一冊だけ書いて欲しい!

三冊読んで、一番気になる男性はヒーローたちではなく、一作目、三作目のヒーローの仕事仲間であるジャッコというキャラでした。パンクファッション、全身ピアス、毒蛇のタトゥー、スキンヘッドheart04 音楽の趣味が合いそうな気がします。彼に、この三冊のヒロインたちと同じような清純系彼女とか出来たら……happy02 すごい私ホイホイなんですけど!

各H/Hは
「真夜中の男」元SEALの警備会社CEOジョン×インテリアデザイナースザンヌ
「真夜中の誘惑」元USMCの殺人課刑事バド(一作目のヒーローの友人)×大富豪の令嬢クレア(一作目のヒロインの親友)
「真夜中の天使」元SEALの鬼教官で警備会社の共同責任者ダグラス(一作目のヒーローの会社)×盲目の歌姫アレグラ(一作目、二作目のヒロインの親友)
という感じでヒーローはヒーロー、ヒロインはヒロインで全員横の繋がりがあります。ジャッコはその警備会社の人間で、鬼教官ダグラスが「命を預けられる」という実力の持ち主。外見は「部屋に入ったら顔を背けられる」ダグラスよりも上をいき「部屋に入ったら人が逃げ出す」恐ろしさとか。萌える……! お相手はぜひ素直で素朴で清純派美少女系美女でお願いします!

そんなこんなでヒロインはヒステリックじゃないし、頑固と言われても鼻につくほどではないし、美人だし小柄だし(ここ重要。といってもヒーローが全員巨大なので、身長差を考えたら170くらいはあるかもしれません。けど、体格差萌えの私は十分満足しました)全員が私好みだったのですが、ヒーローがね……

全員、ものっすごい過保護で超ウザイ!><

二作目のヒロイン、クレアがバドにうんざりする気持ちがすっごくよくわかります。三人のヒーロー'sは全員例外なく男性ホルモンを過剰に分泌しており、ヒロインを守ろうとするあまりに行動をかなり束縛したりもする。会社の人間を運転手に使おうとする公私混同、ヒロインがキャリアの為に人脈を広げるのさえ、その独占欲が時に障害になっていたりもする。

……って感じの割には、結局ヒロインの尻に敷かれてたりするわけですけど……>< 三ヒーローとも同じタイプってことは、著者さんこういう男性が好みなのかな? 

私にはどうみてもこの三人が「大人の男」にはちっとも思えませんでした。いつ「俺は危険な男だ」と自分で言い出すかと、母のような気持ちでひやひやと見守った……orz 日本人として、日本の社会で生きて来た私にとって、仕事とプライベートのこういう公私混同は違和感を感じるものですし、ましてヒロインが少しでも人脈をひろげるべき時に、真横で近づく人間を犯罪者を見るような目で睥睨してるとかってあり得ないです。度量が狭いなあ……。三人ともそれなりに実力者なんだから、ヒロインをのびのびと自由に生きさせたうえできっちり守ってみせたらどうなのと思う。まあ、守られる方にも危機感と自覚がなければ守りきれないってほどアメリカが危険だっていうことなのかも知れませんが。私にとっての理想のヒーローとは、先日日記にて紹介した「風のゆくえ」のヴィットリオのように、きちんと見守りながらも好きに泳がせてくれるタイプなんですよね。とかいって私がぐずぐず思っていても、結局のところ束縛されることをヒロイン'sは受け入れているんだし、私がとやかく言うことではないんですけど、私がヒロイン'sならどっかの時点でドン引きしてると思います。

弱点を作りたくないがために守るべき者を持ちたがらないヒーロー──ロマンス小説に限らずですね──いますよね。実際に愛する人を見つけると、確かにそれはアキレス腱にもなるけれども、それが彼の強さになったりとか、物語ではそうなるのが定石と思ってたんですが、特に一作目、三作目のヒーローなんかはヒロインの存在が強さに繋がったと読んでて感じる部分が全然なくて、帰ってダメになったような気しかしないんです。私がクライアントなら、ヒロインに何かあったら仕事放り出されるかもしれないと思うから、あんまり信用する気になれないというか。

楽しみにしてた三作めのヒーローも、最後のあたり、優秀な兵士のくせにこれまでに培った何もかもをすっとばして重傷を負った上、ヒロインも守れないかも、という事態に陥る。ヒロインを案じるあまりとはいえちょっともにょもにょ……。いざ何かあったときにこんなふうになるんじゃ、家から一歩も出ないで閉じこもってたって、危険なことには変わりないじゃんと思ってしまいました。

うーん。なんだかんだいって面白くは読めました。でも、もしこの先にこの警備会社関係のヒーローの本が出たとしても、ジャッコがヒーローでなければ飛びつくことはないように思います。

──ジャッコもまた、同じようなパターンになるとしたら、妄想で終わっておけば良かったと思うかもしれませんが……。

黄金のたてがみを抱きしめて&パッション

読了。

「黄金のたてがみ〜」はシェリー・ローレンストンのシェイプシフターもの三冊目。一冊目には二作入っていたので四作目になります。その二作目のヒーロー、ブレンダンの異母弟ミッチと、二冊目のヒーロー、スミッティの妹シシー・メイのお話。なので今回もライオン×狼の異種恋愛になります。

珍しく後に読んだ後書きに書いてあったんですが、「プライド・シリーズ」というシリーズ名のようです。ってことは主にライオンシフターがメインのストーリーなのかな。ブレンダンの双子の妹マリッサと、ミッチの同母妹グウェン(父は違うので、ブレンダンとは血の繋がりがない)が残ってますもんね。

さて、ここまで読んで来てシシー・メイがかなり癖のある奇矯な人物であることはわかっていたんですが、うーん。むしろ実は驚きの料理の天才だったりしてびっくり。多分お父さんがアルファをやってるパックの皆さんが住んでいるスミスタウンに問題がありそうな。というか、スミス一族まじ怖い。

刑事のミッチは潜入捜査の折り、マフィアのボスの殺人を目撃したため裁判で証言することになったので、多額の賞金をかけられて命を狙われています。そのため兄弟や友人たちとも距離を取ってて、シシー・メイのことをにくからず想っているのに友人の位置に甘んじている。そんなある日、シシー・メイといるときに狙撃され、シシー・メイの判断で雇われた殺し屋がミッチの潜伏先として候補にあげないだろう故郷のスミスタウンで養生することになりました。

このスミスタウン、なんと名の通り住人のほとんどがウルフシフター、スミッティの父親がアルファのパックの住処だったりする。両親はスミッティの結婚式に出席した後そのまま旅行に出かけて留守なので、シシー・メイの実家で二人暮らしが始まるんですが……。

なんというか、もうシリアスなんだかコメディなんだか。ミッチは賞金かけられてるので、証言した後は証人保護プログラムに入り、二度とシシー・メイと会えない、という重苦しい設定が根底にあるのですが、シシー・メイのみならず彼女の兄たち、叔母たち、ブレンダンとロニー、あらゆる個性とアクの強い人々が好き勝手に動くのでもうすごいことに。一方でミッチの実母が息子を救うため暗躍し──いや、暗躍じゃないかも。堂々としてるかも──スミッティとジェシー・アンは共にパックで生活していたため新婚旅行先で二人きりで過ごすことに早々に飽きて来ている。

はっきりいうと、ブレンダンとミッチの兄弟はものすごく不憫でした。メイスもそうだし、(スミッティだってそうじゃないとは言えないんですが、ジェシー・アンはスミッティを立ててるような気がする)このシリーズのヒーローは爆走するヒロインのあとをはらはら、おろおろしながら追いかけるような役割であるのかも。いやもう、なんというか、不憫でした……。ロマンス小説でヒーローにこんなこと思ったことないんだけど。

当然ハッピーエンドですが、この三名にはほんとうにそのヒロインでいいのか、もう一回考え直せと言いたい(笑)だって確実に寿命を縮めてるような気がするし。

でもとにかく面白かったです。どのカップルも凸凹(A型夫にB型妻みたいな)で、普段はそういうカップルが好きなのですが、なぜか今回は凸凹感が若干少ないスミッティ×ジェシー・アンが一番可愛いと思いました。このシリーズは手元に置いておいてもいいかなあ。ロマンス小説のシリーズ物は、邦訳企画が途中で頓挫することもあって油断できないんですが。

「パッション」はおすすめありがとうございました! ヒーローの母、その婚約者(ヒロインに非ず)の母、二人の母親'sと煮え切らないヒーローに苛々しながら読みましたが^^; 面白かったです。

あわや大事故に巻き込まれ、というところをヒーローに助けられ、超劇的な吊り橋効果もおそらくはたっぷりとスパイスになって、H/Hは万博の水晶宮で性急に抱き合ったりしたあと、これでもかのエロシーンが前半はたっぷりあったんですが、どうやらこの小説はそこが良いか悪いか、まっぷたつに評価が分かれる作品のようです。過激描写が話題になったそうですが、BL慣れした人ならこんなの過激のうちに全然はいらない……っ><

あらすじだけみるとほんとに唐突感のあるセックス描写ですけど、読むと意外にそうでもない。この流れならそうなっても違和感があんまりないなーと思いました。もしかしたら大けがしてたかも、死んでたかも! というような時には興奮状態になってて、案外今なら何でも出来ると気が大きくなっててもおかしくないし。

ただ、ヒーローがヒロインの部屋に初めてやって来て以降のシーンには、ちょっと激痛を思い出させる単語が入ってたのですべて飛ばしました。(ぶっちゃけこういう小説で二次元エロは勘弁>< おかしな妄想はなしにして欲しい)ストーリーの展開が面白いのであり、エロはそれほど重要ではないという判断ですが多分大丈夫だろう、うん。水晶宮Hまでは良いのではないでしょうか。

最後は私的には大満足です。ヒーローは途中身勝手なことを言うのでかなり苛々させられましたが、そんな身勝手なことを言わなければならないほど追いつめられていたし、ヒロインを想う気持ちだけは疑いようがなかったので、終わりよければすべてよしというか、だからといって嫌いになったりとかはありませんでした。

ヒロインの二人の妹も可愛くて性格もすごく良さそう。駆け寄りながらベソをかくヒロインに萌え。ペイシェンスは同じく性格がすごくいいのに女見る目のないヒーロー弟(人のことはよく見てるのに、なんで自分のほうの問題に気付かない>< これが恋愛フィルター?!)とどうやら……vなので、次作続編がすごく気になるんですが……。妹二人と、今回のヒーローの婚約者とで計四部作の出版が決まっているのになんか長いことごたついて出版されなかったようで。妹がヒロインのが2010年に出版されてるようだけど、邦訳版はなしなのかな。

当たりが続いています

ロマンス小説は当たり外れが大きいんですが、「思いあふれて」(ご紹介ありがとうございました)「夢の騎士にふたたび」に続いてシェイプシフターものの「黄金の瞳に心奪われて」(二作収録)「琥珀の瞳にもう一度」も大当たりでした。

「黄金の瞳に〜」のヒロインは先日ちょっと触れました「こんちくしょう!」のヒロインです。ヒーローのメイスはライオンのシフター、ヒロインのディーは普通の人間、警官です。(ヒロインが警官、という設定には少々弱いです。マンガの「花咲ける青少年」のカジカの両親のストーリーが好きなのからきているかも。ヒロインはおそらくボブヘアだと思うんですが、ヒロインの容姿をキティで想像してしまった)ヒーローは子どものころからず──っとヒロインが好きで、合衆国海軍にいた間も執拗に想い続けていたため、彼の友人たちが初対面のヒロインを知人のように扱うのがほほえましかったです。残念ながらヒロインは超犬派で、大型犬を二頭飼っているのですが、そのことにひどいショックを受けながらも絶対に引かないヒーローが可愛かったです。犬派で猫嫌いのヒロインは、ヒーローよりも彼の親友の狼のシフターと一緒にいるほうが落ち着くという。可哀想な猫ちゃんsmile

彼らは互いを「猫」だの「犬」だの呼び合っているのですが(犬のシフターもいます)行動がだいぶ動物の習性にそってますので、読んでてくす、と思うことも多いです。ライオンは基本、雌を中心としたプライド(群れ)を作っています。雄は食べさせてもらって、子どもを作り、プライドを守る。ただ人間の部分もあるので、それをまるでヒモの用に感じて受け入れられないライオンシフターの雄もいる。ヒーローもそんな、一匹狼のようなライオン。

反面、親友のスミッティ(名字がスミスであることからついたあだ名。スミス=スミッティは海外小説では時折みかけるので、お約束のあだ名なのかも)は正しい狼のアルファ(第一位の雄)としてパック(群れ)を率いています。一緒に退役し、一緒に会社を立ち上げたので、スミス・パックの仲間たちとヒーローは仲が良い。ヒロインが犬派と知って、ヒーローはこの狼たちの群れに大爆笑されました。なにかと不憫なヒーローでしたが、シリーズの他のお話でも個性の強いディーに押されて、そこはかとなく不憫臭が漂って……。犬もまた一匹増えて、三匹飼うことになってるし。

二作目は、メイスの姉のプライドから抜けたばかりのブレンダンがヒーロー。もちろんライオンシフターです。ヒロインはスミッティの妹の親友ロニーなので、ライオンと狼の異種恋愛になります。

とはいえ、普通にあることのようなので、一部の差別主義者が違う種のシフターと恋愛関係になることに渋い顔するくらいで別に禁忌でもありません。ただ……混血児は笑いのネタになるようなユニークな容姿になることもあるようです^^; でも人間型になったら美女だったりするようなので、ネタにはなってもそれで子づくりを諦めようとか、そんな深刻なことにはなりません。

というか、この話全体が深刻なことにはなり得ないというか……。おおらかでなんでもジョークにしてしまう、いかにもアメリカ人(私の偏見に満ちたアメリカ人のステレオタイプ)といった様子がすごく楽しくて好感持てます。

二冊目の「琥珀の瞳に〜」はスミッティがヒーロー。ワイルドドッグシフターのジェシー・アンがヒロインで、こちらも異種恋愛。ちょっと犬のシフターのことはわかりづらいんですが、原種の犬ならシフターがいる、というようなことを読んだような気がするんだけど、秋田犬のシフターが出てくるんですよね。秋田犬も交配種のはずなので??って感じなんですが……。とりあえず、いわゆる愛玩犬にはいない模様。(犬のシフターが犬を飼ってたりもする)

いやはや、スミッティといいメイスといい、好きな子を思い続ける執拗さはさすがに親友同士。ジェシー・アンは自分だけは有名なヤリチン男スミッティに相手にもされなかったと思い込んでいますが、実は……。

スミッティの執拗さ、なにがあっても「お前はおれのことがすきなはず」と決めつけている様子は、普通なら私のカンにには障るんですが^^: やることなすこと構ってちゃんな犬のようで全然腹が立たない。あれこれとずーっとすれ違いが続くんですが、それに関しては私は完全にジェシー・アンの味方でした。

このワイルドドッグのパックの連中が底抜けに変人で、陽気で、オタクで、子どもが大好きな連中で(犬だけに)、すごく好感が持てます。狼のシフターは犬のシフターを小馬鹿にしてることが多いみたいですけど、個人的に知り合うと愉快なやつらだと思うのか、それなりに仲良くなったり認め合ったりしているのです。ここまでの三作では、私はこの「琥珀の瞳に〜」が一番好きです。ヒロインがすごく可愛い。

そしてH/Hの行く末より気になったのが、その秋田犬のシフター、ケンシン・イヌイ氏(笑)

世界中をイヌイ・パックとともに旅しているらしい大富豪の彼は、どうやらスミッティとメイスがやってる警備会社の日本支部立ち上げのビジネスパートナーとなったようなので、シリーズのこれからにも登場が期待されます。いつか禁断の日本人(シフターだけど)ヒーローが誕生してくれたらいうことはないのに……。基本女性が読む物だから、日本人、というか東洋人ヒロインはあり得なくても、ヒーローには期待したいな。

そういえばロマンス小説恒例のエロシーンですが、私今回雪原での壮絶なシーンで初めて「エロシーンだ」とドキドキしました。これまでこの手の小説のベッドシーンにエロスを感じたことがありませんでしたが、著者のせいか訳者さんのせいか、このシリーズはそのシーンにちゃんとエロスを感じるし素敵だなと思います。いや、すっごく明るくベッドに入ってて、苦悩の欠片もないのがいいのかなー。最中にべらべらしゃべってないのがいいのかなー? そういう意味でも◎です。

今は三冊目、四作目にあたるのを読んでいます。二作目のヒーローブレンダンの腹違いの弟ミッチとスミッティの妹シシー・メイのお話。シシー・メイと仲の良くない狼たちとかなり深刻な闘争になるかとどきどきしていたら、ミッチ(ライオン)が狼チームの一員としてフットボールの試合に出て熊のチームに買ったら許してやるとか……>< なんだよお前たち、そっちの方が大事なの?! プライドはないの?! って。ちょっと高度だけど、基本「取ってこい」だから犬連中はフットボールに夢中なんだとせせら笑うミッチの言い草に吹きました。

ロマンス小説だという偏見抜きで読んでみてもいいんじゃないかな、と思います。ロマンス小説のいいところは絶対にハッピーエンドってとこですしね!

ええと最後に私信になりますが。

fra様、返信がご迷惑になるわけではないようですので、勝手ながら時間を好きなことに使うことにして、レスページに返信させていただいています。よろしければ……。

帰還か残留か

こないださんざん貶した「騎士から逃げた〜」の著者のをもう一冊借りてたので読みました。「夢の騎士にふたたび」というタイムトラベルもの。騎士から逃げた〜の一世紀くらいあとのスコットランドに、ヒロインがタイムトラベルする話です。

ロマンス小説のヒストリカルにはよくタイトルに「ハイランド」とつくものがあって、映画「ブレイブハート」の世界は結構人気があるようですが、私は特に好きではないです。この二冊を借りたのは──なんとなくお分かりだと思うんですが、「婚約者を嫌って逃げ出した男装女性が正体に気付かない元婚約者に剣の特訓を受ける」とか「14世紀にタイムトラベル」という設定に心惹かれたからです。

「夢の騎士にふたたび」はそれなりに楽しく読めました。三分の一くらいはヒーローのコテコテの男性優位主義に歯ぎしりしながら読まなければなりませんでしたが、ヒーローが改心? して自分の気持ちを認めてからは、地面を這いまわってプレゼントできる花を探したり、妙に感極まって涙ぐみそうになることが多かったりと「……乙女熊?」みたいな可愛いヒーローになるので、その黒歴史はすぐに忘れてしまいます。もちろんヒロインも。というか、ヒロインは私などより忍耐強く慈悲深い。あの城をよく綺麗にする気になったなあ! のちのちスコットランドの森を通して過去と未来が自由に行き来できることがわかるのですが、最初はアメリカからスコットランドに時間だけでなく土地も移動してるのが意味不明ですけど。(突っ込んだら負けなんだろうな)

とはいえこの話、先に読んだ「時を越えた恋人」に酷似しています。パクリって意味ではなく。「夢の騎士にふたたび」はまあ……事故なのかな? 「時を越えた恋人」は召還もので、その点は違いますが、
1)悲壮感たっぷりに過去の時代と別れたわりには、その後結構自由に行き来している
2)ヒロインのコワーイ兄貴たちがヒーローを救うため(或は好奇心)で過去に行って戦う
3)ヒーローは現代人として生きる

タイムトラベルものでこれだけ似てればかなり似ていると思うはず。アメリカロマンス小説界ではテンプレなのかもしれないけど。

思うんですが、日本のタイムトラベル、或は異世界召喚ものでヒロインがどこかに行った場合、多くの場合最終的には残留が選択されます。そこがどれだけ現代人には暮らしにくい、不便な世界でも。

だけど海外の小説でヒロイン(こないだの守護天使に恋してのジュード君しかり)が残留するものを私はまだ見たことがありません。必ずヒーローがこちらに移住することになります。「守護天使に恋して」はジュード君の兄さんが証人保護プログラムを利用して戸籍を用意するし、「時を越えた恋人」「夢の騎士にふたたび」はワルーイ兄さんたちがどこからともなく戸籍やパスポートを用意してました。(ほんと安易だな。大丈夫かアメリカ……。こういう問題があるから、邦ものは安易に別世界から人を連れてこられないんですよね)相手に合わせようとする日本人と、相手に合わさせようとするアメリカ人、その気質の差なのか、愛する人のためならなんでも受け入れるか、愛していても不便は勘弁という女性の気質の差なのかわかりませんが、ぱっきり別れるのが不思議なところです。「夢の騎士にふたたび」のヒロインの兄が14世紀に行ってヒロインに出会う話もあったようなので、取り寄せをお願いしました。さあ、兄は残るのか、それとも嫁を連れて戻るのか……。私は多分連れてくるだろうと思ってますけど。ほんと残留ものをみたことないので。

ボウ・ストリートシリーズは2作目まで読み、ストップしています……。
推理ものってわけではないんですが、謎のまま話が進むところが多いので、用心のために畳みます。未読の方でこれから読んでみようと思ってらっしゃる方は飛ばして下さい。

一作目は文句なく面白かったし、二作目もヒロインにもにょりながらもヒーローが好きで面白く読んでいたんですが、ヒロインが私情で夫の職務に口を出してからドン引きし、そして夫がそれを考慮した結論をだしてからヒーローにも幻滅してしまいました……。

生い立ちが悲惨な人間がすべて犯罪に走るかというと、それはあり得ません。現に1作目のヒーローは(二作目のヒロインもですが)貧しい生い立ちから自力で這い上がった口です。そういう頑張ってる人でも色眼鏡で見られることがあるのは、安易に犯罪に走る人間が脚を引っ張ってるからです。

また、一度悪の道に踏み込んで、救済の手が差し出されないままずるずる深みにはまってしまうのはぶっちゃけ良くある話で、その中でなぜヒロインの願いだけが聞き届けられなければならないのか? 他の多くには変わらず救済の手がないままなのに。

この時代の法律はよく知らないので、絞首刑がふさわしいのかどうかはわかりませんが、ヒーローの提案を通すのは、先にきっちりやったことの罪を償ってからでないとなりませんでした。懲役とかあったのか知りませんが、20年くらい服役してから(真面目にお勤めして恩赦で早く出てくるのは可)の話であれば私も納得しました。三冊目はその流れでヒーローが読む前からもう好きじゃないので、ちょっと読むのに時間がかかるかも。

シェリー・ローレンストンのシェイプシフターものはかなり面白いです。全然暗いところがなく、明るい。一冊目の二話目を今読んでるんですが、犬派、猫派共ににやにや出来ることうけあいです。ブロンクス育ちの口の悪いヒロインがイク時に「こんちくしょう!」と叫んだりするのが好みの分かれるところだと思います。嫌いな人の方が多いかな……。このヒロインらしいなと私は苦笑しましたが。

えっと、お返事不要とおっしゃってくださったあなた様。
でもちょびっとだけ……

そうです、アッシュ=アケロンです。一番年寄りだけど、未成年に見えるという噂の^^ ビールを注文すると年齢確認されちゃう可哀想なアケロンです。(イメージ写真も、いかにもあちらの高校生って感じですよね)ただそこまで出版する気があるのか、ちょっと危ぶんでいます。次作はすごいデコボコH/Hで楽しみなんですけど。ザレクのイメージはかっこいいですよね! こういう男性に出会えばよだれとか出るのかなと真面目に考えてしまいました。次作でもちょっぴり出番がありましたが、すごく幸せそうに尻に敷かれているようすが◎でした。いえ、知らなければ「星の王子様」は「可愛いheart04くすっ」と思っちゃいますよ。彼は強面ですしね^^; でも前作「タロン」からの扱い、「ザレク」で生い立ちと死に様を知り、「星の王子様」の内容を思えば、ただただ涙がでます。

日記のそういうネタに反応がきたことがないので驚きました。ちょっとこれからは意識していきたいと思います。

ありがとうございました!

入浴は不健康

……だと思われていた時代の騎士ものとかは、私には無理wobbly だということがわかりました……。お風呂嫌いのヒーロー(臭いから風呂に入れとさすがに言われている)とか、その時代はそうなんだと言われても無理だ。しかもヒロインもあんまりお風呂が好きそうじゃない。「騎士から逃げた花嫁」とかいうヒストリカルですが、どうやらシリーズの二作目だった模様。

ヒロインは良くない噂てんこもりのヒーローと結婚するのが嫌で、兄の騎士の証(拍車)を盗んで逃亡し、良家のお嬢様の護衛騎士になるのですが、そのお嬢様がヒーローと結婚するかも? ってことで結局ヒーローのところに行くことになります。で、ヒーローはあまりにもヒロインが弱いので、鍛えてくれることに……

というあらすじなのですが、このヒロインに気概ってものが全く感じられず、受付けませんでした。護衛騎士になれたのは、そこの奥方が主人公の正体を見抜いたうえ、母親と親友同士だったからで、実力ではありません。あとになって「奥方さまが剣の稽古をできるよう手配してくれてれば。私は二年間なにやってたんだ」とかなんとか言ってますが、えっ自分から希望しろよって感じです。男装はしてるけど、男と思わせようと言う努力を何一つしていないので、ヒーロー以外のほぼ全員がすぐに正体を見抜きます。ヒーローと結婚するのは嫌だし、ヒーローは逃げた婚約者を見つけたら殺すとか言ってるので正体は黙ってて欲しい。けど、女であることを明かせてほっともするってことで、すぐにめそめそ泣き出す始末……。こんなヒロインに体臭のきつい(清潔にしてても体質だ、っていうならともかく)ヒーローでロマンス小説なんてなんの冗談なんだろう。とりあえず最後まで読みましたが、この印象はひっくり返りませんでした。すごい苦痛だった。

苦痛と言えば……。

オリンポスの咎人シリーズの続きが図書館で借りられたので借りてきました。(↑はあらすじみて面白そうと思い、ついでに借りて来た)

オリンポスの咎人の超はしょったあらすじはこう。
聖なる箱の番人に選ばれたパンドラに嫉妬した戦士たちが(俺らの方が有能なのにannoyとかそんな)、自分たちの方が使えるよということを証明するためにパンドラを襲って箱を開け、中の魔物を解き放ってしまいます。箱はどこかに消えてしまい、それに怒った神々が、戦士たちの身体を逃げた魔物の檻にするという罰を下します。彼等は家族が病気になったり、妻に浮気されたり、子どもが死んだりというあらゆる災厄を戦士──咎人たちのせいだと決めつける人間(嫉妬の魔物が閉じ込められているのに戦士たちがパンドラに嫉妬したように、魔物の解放とそういう負の出来事は関係がない)──ハンターと戦いながら、許される日を待っていたけれども……?

って感じでしょうか。

三作めまでは簡単に借りられたんですが(二作目は面白かったです。正直ヒーローには「自分で顔をめちゃくちゃにしておいて、俺は醜いってコンプレックスを抱くのは違うんじゃないの?」というもにょるところがあったけど、ヒロインがあまりに可愛いので無問題)楽しみにしてたのは五作目の「怒り」の番人の物語でした。いや、ちょっと三作めまで踏んだり蹴ったりだったので、救済して欲しかったし、ヒロインが天使、って聞いてたので。

けど……最後まで読むことすら出来ないくらい性に合わないヒロインで、上巻の途中で挫折down なにかっちゃ「あなたのために私はこういう犠牲を払ったのに!」とか言い続ける女(ちょっと天使のイメージが作者さんとは違うなと思います)によく欲情できるよなあ……とヒーローにも幻滅です。言ってはなんですが、著者は男性というものを心のどこかで見下してるような気がする。とにかく何を言われても、何をされても「女」には欲情せずにいられない生き物なのよね、みたいな。男性は女性よりメンタル面で非常にデリケートなんですけどね……。初の三角関係ものでしたが、私はもう一人の悪魔ちゃんの方が可愛くて好きでした。

四作目の「疑念」の番人の物語は、最後のあたりまでは面白く読んでいました。スポコンものだったけど、嫌いではないし。でも最後の最後でヒロインが「やらかしちゃった」ことで、戦士たちが宿敵を取り逃がしてからは( ゚д゚)ポカーン です。

「征服」の番人というのがいます。彼は戦いだろうと賭けだろうとゲームだろうと、とにかく負けることを内なる魔物に許されていません。負けるとしばらく地獄の苦しみにのたうち回ることになります。

宿敵を取り逃したことで「負けた」ことになり、彼が死ぬほどの苦しみを味わっている横で「ほんとうにごめんなさい。私ったらつい……」「いいんだ、仕方ないよ」的な会話を交わすH/H。ちょびっとは「征服」の番人にも謝ってたけど、さらっと話をまとめ、「さあ、帰って愛し合いましょう」

えええ〜?! 今仲間の一人があなたのせいでのたうち回ってるんですけど……! 仲間の苦しみより性欲優先?!

──というわけで、オリンポスの咎人はここでお別れしようと思います。二作目のヒロインしか気に入ったと言える人物がいなかったです。

恋のしっぽをつかまえて

my神のもう一冊の本、本日密林から届いたので読み始めました。面白くて、読み始めたら一気でした!

ドタバタコメディ的なものだと思ってましたが、私が笑いのつぼをいまいち掴みきれなかったせいか、時折くすっとするところもある普通のシリアスなストーリーのような感じで、かなり読みやすかったです。ドタバタはかなりしてますが……。なんと言いますか、二冊を比較すると「フェア・ゲーム」は物語も登場人物も品の良い感じですが、こちらはもっと生臭かったというか、やや品のないイメージ。訳もそれに合わせて言葉を選んであるように思いました。けど、「ファック」はやっぱり「ファック」でいくしかないんですねー。これよ! という日本語、ないですもんね。

以下、ネタバレしてるので畳みます。犯人とか、そういう重要なことには触れていませんが、あとがきをちゃんとあとで読むタイプの方はお読みにならない方が賢明です。

フェア・ゲーム

my神が翻訳を担当された『フェア・ゲーム』やっと読めました……!

雑誌で訳された短編が、それなりには面白かったものの、ものすごく性に合うものではなかったため、急いで買わなくてもいいや、と思っていたら、あっという間に完売したらしく手に入らなくなっちゃってたんですよね。

面白かったです。少なくとも買って損はしなかった。高いですけど……>< 厚みと、各関係者様にお支払いするぶんを入れるとこんなものなのかなと思います。表紙絵が好きではなく、購入に踏み切れないもう一冊も読んでみようかな……。

訳はなめらかですごく綺麗だと思いました。少し前に書いた「守護天使に〜」とは比べ物にならないくらい。語彙が豊富な方ですから、それなりに苦労されることはあってもぴたっとくる日本語をちゃんと持ってこられるんでしょうね。少なくとも私が海外ロマンスものでドン引きするようなイカニモ表現は皆無でした。(っていうか、原作者の力量もあるのかも……。再会ものだからかもしれませんが、すくなくとも出会った瞬間に頭の中で相手をマッパにして身体やら性器やら想像したあげく股間を固くしたりあそこを濡らしたりするようなビッチ的な主人公たちではなかった)訳すのに困ってそのままになった英語も無かったし。いや以前に書いたけど「彼はすごくホットな男よ」とか、そういうドン引き表現山ほどあるんですよ。一回海外ロマンスもののテンプレ翻訳的な文章でアシュルク書いてみましょうか? 絶対爆笑します! っていうか、ドン引きします^^; 多分書きながら鳥肌も立つ。こないだの「ファックして」ももしかしたらこの方ならちゃんと日本語の卑猥な表現で訳したかなと思いました。

お話は膝の負傷で引退を余儀なくされた元FBI捜査官で現大学教授のエリオットと、FBI捜査官で過去三ヶ月だけ恋人的な存在だったタッカーの再会物語です。その恋人『的』な存在というあたりに、まっすぐなタッカーと何事にも慎重なエリオットの認識の違いがありまして、再会したからって燃え上がってすぐにベッドになだれこむようなことはなく、じれじれじれじれと……ああんもう〜heart04 という感じ。ほんと、解説の三浦しをんさんじゃないですが「落ち着いてよく話し合え!」です。

当然濡れ場も多くはないですが、私は「致した」ことが分かれば特に詳細は必要ない人なのでそれは無問題。(見栄はってんじゃねーよと思われるかもですが、本当です。有るにこしたことはないんですが、無くても)というか、海外ロマンスの濡れ場はぜんぜんそそりませんしねー。喘ぎ声とか執拗に書くのはこっちのBLとかフランス書院とかから出てる一見少女小説っぽいエロ小説だけの気がする。おっちゃんが読むような黒い文庫は意外にエロくないのです。

──と、余計な方向に話が脱線しましたが、そういうところを抜きにして語るとしたら、良く出来たミステリ小説、と言えるかもしれません。が、こういうのもう何度も読んだことある……><

ミステリ小説は国内、翻訳物問わず古いものから新しいものまで結構読んでるし、ミステリ部分には目新しさは全くない……。m/mでなかったら星2しか付けられないなあと思います。じれじれ好きなのでプラス1で星3かな。これでミステリ部分にもヤラレタ感があったらもう神認定するところですけど。

この方には吸血鬼もの(食傷気味)以外のm/mパラノーマルとか、日記で訳したいと言っておられた海賊ものとか訳して欲しいなーと思いますが、正直この方のオリジナルを越える原作なんてないような気もするのです。連載開始からもうじき丸七年になるアレを! 完結させて欲しい! 七年経つのに、まだ主人公カップルは最後まで致せてないんですよ><

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