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Category: 本

幸せを運ぶ求婚者

読み終わりました。以前読んだ「誇り高き愛人」のヒーローの双子の弟が今度のヒーローになります。
ヒロインが秘密を抱えたまま(読者にも明かされない)物語りが進行するのですが、これが思ったより重たいお話で、前作とは趣がだいぶ違いました。やはり女同士、ヒロインに感情移入してしまうので、かなり辛かったです。ヒロインのシーアがかなり強い人なのと、ヒーローのリチャードに会話のセンスがあるのとで、ところどころでちょっと息抜き出来るのですが、ほんのちょっぴりです。でもその分読み応えがありました。

リチャードを愛してるんだけど、『秘密』ゆえに受けられないシーアの苦しみはキツイです。前作ヒロインヴェリティの『秘密』も重いなあと思ったけれど、その葛藤が今回かなりリアルで、読んでいる方は「別にあなたは何にも悪くないよ、普通、そう思うって! 私だって同じ状況になったらそう思うって!」と言ってあげたくなることが山ほどあるんですが、その苦しみの中で出した彼女の最後の選択は、女性からみると賞賛に値します。なかなかこの選択は出来ないのではないかと思いました。なので最後のあたりでその選択を受け入れられないリチャードに「えーっ……」って一瞬は興ざめもするんですが(ま、物語はともかく現実はこうだよね、みたいな)、そこはやはりハーレクイン、真打ち登場! といった再登場が憎たらしいくらいに決まっていて、ほっとしました。

前作でボロクソに貶したマックスですが、ヴェリティといちゃいちゃしてるだけと思いきや、最後の最後、弟の背を押してやる……と言っても、リチャードはもう心を決めていたと思うので、弟の選択に肯定の意を示しただけなのですが「あんた、男前だよ!!」という素晴らしいお兄ちゃんっぷりを見せ、森川の好感度を一気にMAXまで上げましたheart

最後の十数ページはちょっと涙がにじみました。

今回の方も訳が綺麗で、途中で興ざめさせられることもなくって良かった。古いミステリ小説を読んだ(推理小説という意味ではなく)という感覚の方が、ハーレクイン小説を読んだ、というより強いかな。しみじみと良作を読んだと言う感じです。

前から思っていたことですが、昔の人のものの考え方ってほんとに性に合わないです。和洋どちらの古典文学も好きになれないのはそれがあるからなんですよね。(その時代にはその時代の考え方があり、登場人物はそれに従っているだけだということは理解していてもです)今回は特に舞台が海外ですし、余計に強く思いました。小説は所詮現代人が書いているんだし、本当のこの頃(十九世紀くらいかな)はもっと理解し難い考え方が横行してたのかなと思うと、つくづく現代人で良かったと思います。
──まあ、あの時代に生まれていたら、それが当たり前の感覚なので全く気にならなかったんでしょうけども。
自分の母乳で赤ん坊を育てているヴェリティに驚愕する伯母さんに驚愕です。

タマに変なカンが働く

私の兄弟三人、ず──────っと探していた本がありました。
昭和39年発行の本で、とっくに廃刊になっています。知らぬ振りで何度か出版社に探りの電話をしたけど、答えは変わりませんでした。(以前、絶版が決定しましたと受付に言われたのに、諦めきれずに問い合わせをしていたら、いつの間にか再版してた本がある)

子どものころ、表紙が取れてぼろぼろになるまで三人で読み返した本で、今でも集まるとその本で得た教訓などを思い出し、「読みたいよね」となります。
ネット環境のない二十代前半くらいまでは、主に古書店などを探していました。たまに出回る、と聞くのですが、縁がありませんでした。
密林にはありましたが、お値段が折り合わない。
元は1,100円(貨幣価値がちょっと当時とは違うかも)だった本が、28,000円。いくらなんでもちょっと思い切れません。欲しいけど……それに監修、出版社は同じでも、記憶にあるのとびみょーにタイトルが違うような気がして、写真もないし、確認が取れませんでした。

三兄弟がそれぞれ利用する図書館にもなく、もう半ば諦めており、時折思い出したように探すだけになっていたんですが、今朝、ふっと。ほんとにふっと読みたいなと思って古書店ネットで検索かけました。──ない。密林──あるけど、数万円、無理──。ああもう、──あれっ?! とあるところでなんと即決価格7,000円で出てますよ!!!!

ネットで検索かけても探してる人が多いのに、いやもう、こんな値段で出るはずのない本なんです。

廃盤CD6,000円は踏みとどまれる私ですが(まあ、輸入盤を所持しているせいかもですが)古書との縁はタイミングが重要、速攻でぽちっと押しました! 写真、間違いないです、朝っぱらから出勤前に涙が出そうでした。ぼろぼろになってたのをセロテープで補修しているような有様でしたので、子どもが全員独立したあとの引っ越し時に母が処分してしまったのです。(こんなに手に入らない本だと知ってたら、捨てなかったのに……!と母も悔いていた)

8時前に連絡が入ったので、本日速攻で振込に走りました。もう、妹、弟に「手に入ったよ……!」と死ぬほど言いたいのですが、オークションですし、実際に手に取るまでは何があるかわからないし、我慢しています。取引数も多く、悪いの評価など一つもない方なので多分大丈夫でしょうが、ほんとこれで届かなければ生霊飛ばすよ……!

もう落ち着かず、そわそわしてしまって、何も手に付かないのです。
いつもの音楽もうるさく感じるほど……!(まあ、うるさいのばっかなわけですけど……)
あああ〜早く届かないかな〜

銀二貫

通りすがりに親の敵討ちの現場に出くわし、今にも殺されそうな父を庇う男の子を見ていられず、寒天屋の主人が持っていた銀二貫という大金で仇討ちを買い取ります。

そのお金は、大火から店を守ってくれた天神様に寄進するためのお金で、主人の暴挙に番頭の善次郎はんは大激怒。丁稚として引き取られることになった主人公を「お前のせいで……!」といじめ倒すのですが、のちに何故善次郎はんがそこまで寄進にこだわるのかわかると「善次郎はん……!」と泣きたくなるのです。善次郎はん、なんて出来た人なんだろう……。この主人にしてこの番頭あり、というこの爺様コンビ、最高です!

主人公が三十を越すまで、半分貯まっては消え、全額貯まっては消えして寄進は出来ないでいるのですが、そのお金が人の命と縁を繋いで行く過程が優しく、愛おしく、涙無くしては読めませんでした。というか善次郎はんには大号泣させられっぱなしでした。これでこの著者の本はすべて読んだことになりますが、私はこれが一番好きです。最後の爺様コンビの会話に、号泣はともかくうるっと来ない人はいないはず。善次郎はんの台詞に、どれだけ万感の思いが込められていたか、読み手は知っているだけに……。

銀二貫で敵討ちを諦めた侍ですが、お金で仇討ちを諦めたくらいだ、ろくでもないねえ……きっと呑んだり買ったりしたんだと思っていましたが……。
情けは人のためならず、という言葉を、強く思い起こさせます。
最近、こころがトゲトゲしてる、癒されたい、泣きたい、優しい気持ちを思い出したいときにおすすめの本です。

「出世花」もそうでしたが(同じ著者です)こういう時代人情ものを読んでしまうと、ふっと素に戻るというか、エロばっか書いてて大丈夫かアタシ?! という気になりますね。

当たりのこと

一年近く読んでも読んでも当たりにかからなかった本ですが(言いたくないけど、『謎解きはディナーのあとで』とか腹立たしいほどに面白くなかった。図書館の順番待ちをおとなしく待ってればよかったのに、どうしても気になって買ってしまった私は超負け組)実家で母おすすめの「みをつくし料理帖シリーズ」と「竜の道」を読んでから当たりばかりでちょっと幸せです。

「みをつくし料理帖シリーズ」を読んで、ところてんをテングサから作りたいと息巻く私に、母が差し出したテングサとところてん突き。馬鹿だこの母娘……。同じことを思ったものの、いざとなると面倒な母と違い、食い意地のはった私は即座に主人にテングサから作るところてんのレシピをメールしろと強請りました。(ネットないから)
手作りのところてんはかなり美味しかったです! 酢みそ付けても美味しかった。
これは実際に母もあれこれ作ってみてましたが、実際に作れるレシピも載ってて美味しいし面白い。
澪のお相手は、私は若旦那がいいなあと。

同著者の「出世花」もかなり面白かったです! 訳あってお寺に住み着いたお縁ちゃんが、死者を洗い、顔を整える「湯灌」を通じ、やはり差別などに身をさらされながら成長していく、というお話。「おくりびと」が好きな方はかなり面白いと思います。

「竜の道」は双子の兄弟が共通の目的のために、弟はエリートコースへ、兄は血塗られた道へと、正反対の道を歩んで行く、という話。立場があまりに違うので、互いに逢いたくともなかなか逢えない。荒れ狂う心を持て余して弟に電話するも、留守、しかし弟に電話をする、という行為で心が落ち着く兄の姿に、「アッシュ……!」と叫んだばかな私。

続編、早く読みたい。この兄弟のなんだか濃ゆい絆が、続編でほどけていったりしませんように!

朝日新聞にてでかく紹介された「ビブリア古書堂」はいまいちでした。

「真夜中のパン屋さん」は面白かったです。常連になっていく人々が個性的すぎる。けど、くどすぎて鼻につくような感じではないです。絶対ないだろうと思いつつ、希実とこだまがくっついてくれないかな〜と思ったりする。こだまはなんか仔ルークを思い起こさせます。希実の母のことや、そこらへんのことが謎のままになってるので、多分続編がくると思う。楽しみです。

30年ごしの快挙……!

連載開始が1976年だから、実際は35年になるのかガラスの仮面。
今日買ってきました。

以下、未読で絶対内容を知りたくない方のために。

雑誌は一切読まないようにしているため、コミックスがでないと続きが全くわからない私は、まさか、まさか真澄様とマヤがすでに両想いになっているとは夢にも思いませんでした……!
まだ紫織さんがお邪魔虫だけど、ここまできたら真澄様がなんとかするだろう、多分。なんとかしろよ。

正直私はもう、じれじれに疲れはててましたので、くっつくかどうかさえ教えてくれれば紅天女なんかどっちがやったっていーよ、どーせダブルキャストじゃねーの、とやさぐれていましたが、これで安心して……いや。

我が実母は、月影先生と尾崎氏のように、心で結ばれながらも(先生もそうだったし、一回くらいはHもあるかも)恋人とか夫婦とかになることはなく、大女優と最大の後援者、って形で昇華するのではないかというありがたくもない予想を立ててるんですが、今の段階じゃそのフラグも立ったままだしなあ。

しかし真澄様も30超えて純情だね! 爪の垢をアッシュに飲ませたいな~
(帰還してもルークに手が出せず、チェリーのまんまで30越えのアッシュとか書いてみたい。思いが強すぎて、初夜は勃たないと見た←アッ──! 勃たないアッシュ書きたい!!抱き合ってるだけで幸せとかほざいてる乙女なアッシュ書きたい!)
多分真澄様はチェリーではないと思うので、誤解なきようお願いします。

セレブリティな方々の乗る客船の豪華船室に二人きり、って一瞬期待してしまいましたが、やはり古きよきマンガ代表として絶叫の鍵ぽちゃ……良いですね! ガラかめはこうでなくちゃ!これが少コミ連載ならまちがいなくギシギシした上に謎の液体まで飛び散ってただろうと思うんですが(今の少コミ系コミックはどれも好きじゃありません)

とりあえずは良かった良かった。
え? 桜小路くん?
あー……

進撃の巨人

主人に薦められて読みましたが、すごい面白かった!「ベルセルク」っぽいと聞いてましたが、むしろ「寄生獣」を強く思い出したかな。ミカサがツボキャラ。仲間が淡々と、しかもどんどん死んでいくし、万人受けはしなそうなので人にはお薦めしにくいですけど。映画「パッション」と同じような葛藤を感じました。「すごい映画だけど、誰にもお薦め出来ない><」みたいな。

乙嫁語り3巻

面白かったけど、いつものごとく感情移入しすぎてもにょりました。

他国の習慣を責めてはいけないというのは承知の上で、やっぱり嫌悪感がありました。もしかしたら、まだ中学生くらいの多感な時期に王昭君の悲劇を知ってしまったせいかも知れません。あの時期に抱いた嫌悪感は、もう一生変わることはないのかと思うほどずっと引きずっていくものですね。――私だけかも知れないですけど。

呼韓邪単于と王昭君の結婚に関しては、王道ファンタジー的な妄想で長く楽しめました。これだけ長いこと楽しめる(妄想で)歴史上の人物はあとはスパルタクスと霍去病くらいです。

書く事があるかどうかわからないオリジナルの物語の中には、今でもこの二人がモデルのキャラクターがいます。だけど、単于が亡くなったあとの彼女の人生に関しては今でもなんというか複雑なものがあります。ン十年前ほど強烈な嫌悪感を感じないのは、もしかしたらその後の夫の方がいい男(容姿という意味ではなく。ましてや若いからという意味でもなく!)だったかもしれないじゃん! と思える心のゆとり? が年のせいで出たからかもしれないです。

敬愛する中島敦先生の李陵然り、浜たかや先生の太陽の牙(ファンタジーですが舞台モデルが多分モンゴルとかあっち)然り、大好きな本には騎馬民族が多く登場するので、多分あちらに私は、とても憧れを抱いてるんだろうと思うんですが、地についた生活を殊更細かく描かれる乙嫁語りのようなものを読んでしまうと、わあ、私には絶対絶対無理な生活だと改めて思うのです。

びっくりの映画化?!

今日、バイトに不足が出たので、急遽三時間だけ入ることになりました。主人がお休みですので、送迎付きのVIPなパートです。良いことをしたら返ってくるもので、テルマエ・ロマエとヴィンランド・サガの最新刊が出てたので(忘れてた……)買いました。ついでにTHE BLACKOUTの新譜も注文したのが入ってたheart04

テルマエ・ロマエ、実写映画になるんですね〜! でもローマ人を阿部寛がやるって……えー……
主人が大喜びしてるので、多分観に行っちゃうんだと思いますが……。今回も読みながら大笑いしました。最初の温泉村の話が特に……。

ご存知ない方に、ネタバレしない程度に。AD130とかそこら辺(多分)の、浴場の設計技師ルシウスが、仕事で行き詰まってる時にお風呂場からタイムスリップして、現代日本の温泉をかいま見てしまい、それを仕事に生かして行く(何回も繰り返しています)ってだけの話なんですけど、彼の目の付けどころやビミョーな解釈がおかしくて、読んでてつい笑いがもれます。知人が「絵が×」って読まないんですが、興味があるけど絵がねえ……って方は、無理を押してでもお読み下さい。多分、気にならなくなるんじゃないかなあ。

ヴィンランド・サガ、まさかこのままトルフィンが農夫に……てことはない……か……。
クヌートとの道がもう交わらない、ってことはないと思いますが。
私はともかく、ユルヴァの消息が気になって仕方ないんですけど……。いや、元気で無事なのは分かってます。タルタロスから落とされたアニスを、イオンもジェイドも心配してなかった、アレと同じです。
ただ、ものすごく愉快なことを仕出かしていそうなので、その生活を覗いてみたい、是非。
ああ〜待つのは長いのに、読むのは一瞬とかって、辛い〜。

えー、父の敵を取るために故郷を飛び出して敵の軍団に入った主人公ですが、敵への憎しみと慕わしさ、相反する感情を抱えたまんま目の前で敵を亡くしてしまい、無気力になって今奴隷をやってます。(雑誌の方でどうなってるのかは分かりませんが……)というお話です。面白いんですが、ものすっごい出るのが遅いので、待つのが辛い。

話しは変わりますが、土曜日に術後二度目の診察があり、完全に回復してるので、お風呂やその他の禁止事項が解禁になりました。
何事もなかったように元通りになるのが辛くて、この時期からしばらくは精神安定剤なしでは寝られなくなるのが常でしたが、今回はいらないといって、先生をちょっとびっくりさせました。すごいふつーに眠れています。……ノーダメージということに、逆にダメージがないとは言い切れないんですが……。多分やりたいこと、書きたいものが山ほどあるからなんだろうなあ。

ぱちぱちありがとうございます!
コメントのお返事は分けて畳むことにしました。カテゴリで分けた方が、ぱっとそこだけ見られるかな、と。

図書館でやっと順番が回ってきたので、早速取りに行きまして疲れが溜まらないよう寝たり起きたりしながら読みました。わりと面白かった。買って手元に置いとこうと思うほどではなかったですけど、浜路→アニス、冥土→ジェイドの顔が思い浮かんでしょうがなかったです……もう病気かもしれない。

 八犬伝を扱った小説とかラノベとか読むと毎度、伏姫と八房のロマンスにもっと焦点を当ててよ〜という不満が残ります。今回犬人間というものが出てきましたので、私はてっきり、月の晩とかに八房が人間になるのかと思ってわくわくしていました……(TдT)

 異種婚類譚というのは、結構女子(という年でもございませんが……)の心をわし掴む設定ですよね? うーん、惜しい! せめて浜路と信乃だけでも……!

「赤朽葉」の時も思ったんですが、桜庭一樹という作家さんはラノベよりも普通に文芸書書いている方が面白いような気がします。といってもラノべの方は2、3冊で力尽きたので、全部読んでみたら意外にハマるのがあるかも知れないんですけど。

連作の続きは……少しずつ書けてますが、今週末は難しいかなあと思います。どうだろう?

ぱちぱち、ありがとうございます!
そろそろ続きも書きたい。

コメントのお返事は畳んでいます。

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料理、読んだ本、見た映画、日々のあれこれにお礼の言葉。時々パラレルSSを投下したりも。

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