帰還か残留か
こないださんざん貶した「騎士から逃げた〜」の著者のをもう一冊借りてたので読みました。「夢の騎士にふたたび」というタイムトラベルもの。騎士から逃げた〜の一世紀くらいあとのスコットランドに、ヒロインがタイムトラベルする話です。
ロマンス小説のヒストリカルにはよくタイトルに「ハイランド」とつくものがあって、映画「ブレイブハート」の世界は結構人気があるようですが、私は特に好きではないです。この二冊を借りたのは──なんとなくお分かりだと思うんですが、「婚約者を嫌って逃げ出した男装女性が正体に気付かない元婚約者に剣の特訓を受ける」とか「14世紀にタイムトラベル」という設定に心惹かれたからです。
「夢の騎士にふたたび」はそれなりに楽しく読めました。三分の一くらいはヒーローのコテコテの男性優位主義に歯ぎしりしながら読まなければなりませんでしたが、ヒーローが改心? して自分の気持ちを認めてからは、地面を這いまわってプレゼントできる花を探したり、妙に感極まって涙ぐみそうになることが多かったりと「……乙女熊?」みたいな可愛いヒーローになるので、その黒歴史はすぐに忘れてしまいます。もちろんヒロインも。というか、ヒロインは私などより忍耐強く慈悲深い。あの城をよく綺麗にする気になったなあ! のちのちスコットランドの森を通して過去と未来が自由に行き来できることがわかるのですが、最初はアメリカからスコットランドに時間だけでなく土地も移動してるのが意味不明ですけど。(突っ込んだら負けなんだろうな)
とはいえこの話、先に読んだ「時を越えた恋人」に酷似しています。パクリって意味ではなく。「夢の騎士にふたたび」はまあ……事故なのかな? 「時を越えた恋人」は召還もので、その点は違いますが、
1)悲壮感たっぷりに過去の時代と別れたわりには、その後結構自由に行き来している
2)ヒロインのコワーイ兄貴たちがヒーローを救うため(或は好奇心)で過去に行って戦う
3)ヒーローは現代人として生きる
タイムトラベルものでこれだけ似てればかなり似ていると思うはず。アメリカロマンス小説界ではテンプレなのかもしれないけど。
思うんですが、日本のタイムトラベル、或は異世界召喚ものでヒロインがどこかに行った場合、多くの場合最終的には残留が選択されます。そこがどれだけ現代人には暮らしにくい、不便な世界でも。
だけど海外の小説でヒロイン(こないだの守護天使に恋してのジュード君しかり)が残留するものを私はまだ見たことがありません。必ずヒーローがこちらに移住することになります。「守護天使に恋して」はジュード君の兄さんが証人保護プログラムを利用して戸籍を用意するし、「時を越えた恋人」「夢の騎士にふたたび」はワルーイ兄さんたちがどこからともなく戸籍やパスポートを用意してました。(ほんと安易だな。大丈夫かアメリカ……。こういう問題があるから、邦ものは安易に別世界から人を連れてこられないんですよね)相手に合わせようとする日本人と、相手に合わさせようとするアメリカ人、その気質の差なのか、愛する人のためならなんでも受け入れるか、愛していても不便は勘弁という女性の気質の差なのかわかりませんが、ぱっきり別れるのが不思議なところです。「夢の騎士にふたたび」のヒロインの兄が14世紀に行ってヒロインに出会う話もあったようなので、取り寄せをお願いしました。さあ、兄は残るのか、それとも嫁を連れて戻るのか……。私は多分連れてくるだろうと思ってますけど。ほんと残留ものをみたことないので。
ボウ・ストリートシリーズは2作目まで読み、ストップしています……。
推理ものってわけではないんですが、謎のまま話が進むところが多いので、用心のために畳みます。未読の方でこれから読んでみようと思ってらっしゃる方は飛ばして下さい。
生い立ちが悲惨な人間がすべて犯罪に走るかというと、それはあり得ません。現に1作目のヒーローは(二作目のヒロインもですが)貧しい生い立ちから自力で這い上がった口です。そういう頑張ってる人でも色眼鏡で見られることがあるのは、安易に犯罪に走る人間が脚を引っ張ってるからです。
また、一度悪の道に踏み込んで、救済の手が差し出されないままずるずる深みにはまってしまうのはぶっちゃけ良くある話で、その中でなぜヒロインの願いだけが聞き届けられなければならないのか? 他の多くには変わらず救済の手がないままなのに。
この時代の法律はよく知らないので、絞首刑がふさわしいのかどうかはわかりませんが、ヒーローの提案を通すのは、先にきっちりやったことの罪を償ってからでないとなりませんでした。懲役とかあったのか知りませんが、20年くらい服役してから(真面目にお勤めして恩赦で早く出てくるのは可)の話であれば私も納得しました。三冊目はその流れでヒーローが読む前からもう好きじゃないので、ちょっと読むのに時間がかかるかも。
シェリー・ローレンストンのシェイプシフターものはかなり面白いです。全然暗いところがなく、明るい。一冊目の二話目を今読んでるんですが、犬派、猫派共ににやにや出来ることうけあいです。ブロンクス育ちの口の悪いヒロインがイク時に「こんちくしょう!」と叫んだりするのが好みの分かれるところだと思います。嫌いな人の方が多いかな……。このヒロインらしいなと私は苦笑しましたが。
えっと、お返事不要とおっしゃってくださったあなた様。
でもちょびっとだけ……
そうです、アッシュ=アケロンです。一番年寄りだけど、未成年に見えるという噂の^^ ビールを注文すると年齢確認されちゃう可哀想なアケロンです。(イメージ写真も、いかにもあちらの高校生って感じですよね)ただそこまで出版する気があるのか、ちょっと危ぶんでいます。次作はすごいデコボコH/Hで楽しみなんですけど。ザレクのイメージはかっこいいですよね! こういう男性に出会えばよだれとか出るのかなと真面目に考えてしまいました。次作でもちょっぴり出番がありましたが、すごく幸せそうに尻に敷かれているようすが◎でした。いえ、知らなければ「星の王子様」は「可愛いくすっ」と思っちゃいますよ。彼は強面ですしね^^; でも前作「タロン」からの扱い、「ザレク」で生い立ちと死に様を知り、「星の王子様」の内容を思えば、ただただ涙がでます。
日記のそういうネタに反応がきたことがないので驚きました。ちょっとこれからは意識していきたいと思います。
ありがとうございました!