恋のしっぽをつかまえて
my神のもう一冊の本、本日密林から届いたので読み始めました。面白くて、読み始めたら一気でした!
ドタバタコメディ的なものだと思ってましたが、私が笑いのつぼをいまいち掴みきれなかったせいか、時折くすっとするところもある普通のシリアスなストーリーのような感じで、かなり読みやすかったです。ドタバタはかなりしてますが……。なんと言いますか、二冊を比較すると「フェア・ゲーム」は物語も登場人物も品の良い感じですが、こちらはもっと生臭かったというか、やや品のないイメージ。訳もそれに合わせて言葉を選んであるように思いました。けど、「ファック」はやっぱり「ファック」でいくしかないんですねー。これよ! という日本語、ないですもんね。
以下、ネタバレしてるので畳みます。犯人とか、そういう重要なことには触れていませんが、あとがきをちゃんとあとで読むタイプの方はお読みにならない方が賢明です。
どちらが、というと、私的にはこちらが若干面白かったかな。表紙絵ダメだと思ってたけど、挿絵とか全然素敵です。考えてみれば、新潮社の海外文庫にこういう表紙けっこうありますよね。カバー無くても電車で堂々読めそう。攻のダン、年齢的にはもうちょっと若く描いてもいいんじゃ、と思うんですが、東洋人でなし、このくらい老けて見えてしかたないのかな。リアルを追求されたのでしょうか。
これもミステリなんですけど、絡む登場人物が多く、誰も彼もが怪しい感じで読んでてわくわくしましたし、ものすごく劇的にジャーン! と犯人が明かされ、えええええ?! ……とはならないものの、この部分もまた、好み的にはこちらに軍配が上がるかなあ。
エロシーンはこちらの方が多いしそのシチュエーションが 淫靡な感じに◎です。精液の臭いが漂ってきそうな。こちらの攻のダンの偉そうな感じが圧倒的に好みですので、その点でも良かった。「くそっ」も何度か言っております〜。(エッチ中に攻に余裕がなくなってきて、思わず「くそっ」とか言っちゃうのいいよね〜という@三浦しをん)
受のシーザーはこれまでの彼氏とのおつきあいにおいては攻であったそうなんですが、お前は受! と決めつけるダンに「え、え、え、なんでなんで」みたいな感じで抵抗も無くぐずぐずと落ちて行くのがすごい可愛かったです。これまでちゃんと攻やれてたのか心配になりました。言われるほどドジっ子ではないように思いますし、健気で真面目な頑張りやさんと言う感じでモロ受属性な感じなんですけど。とにかくかわいい。攻やってただけあって(関係ないか)ちょびっと胸毛もあるみたいだしブツも太くて立派らしいけど、それでもかわいいなあと思えるのはすごい。
主人公の家族は……違うようなこと言ってるけど、どうみてもアレですよねえ? 何度も何度も「ロマノ(シーザーの名字)家」って表現されるのがかなり気になります。海外小説とかに彼等が出てくると、例えばコルレオーネ・ほにゃららとは書かずコルレオーネ家、と書かれたりしますよね。まあ、イタリア系の人って家族意識がすごい強いみたいだから、別にアレでなくても不思議は無いのかもしれませんが……。レストラン繋がりか、海外ドラマのアンフォゲッタブルで主人公のキャリーが一時付き合ってたスティーブのこととか思い出しました。
カンノーロが食べたくなりました。初めてこのお菓子のことを知ったのはゴッドファーザーの毒入りカンノーロでしたけど。いい歳のおっちゃんが子どものように食べてて、おいしそうと思ったものでした。
登場人物が結構濃い、というかもっと掘り下げて欲しいな、という魅力ある人物が多いのですが、どうやら続き物もあるようで。そちらも読んでみたいと思います。