入浴は不健康
……だと思われていた時代の騎士ものとかは、私には無理 だということがわかりました……。お風呂嫌いのヒーロー(臭いから風呂に入れとさすがに言われている)とか、その時代はそうなんだと言われても無理だ。しかもヒロインもあんまりお風呂が好きそうじゃない。「騎士から逃げた花嫁」とかいうヒストリカルですが、どうやらシリーズの二作目だった模様。
ヒロインは良くない噂てんこもりのヒーローと結婚するのが嫌で、兄の騎士の証(拍車)を盗んで逃亡し、良家のお嬢様の護衛騎士になるのですが、そのお嬢様がヒーローと結婚するかも? ってことで結局ヒーローのところに行くことになります。で、ヒーローはあまりにもヒロインが弱いので、鍛えてくれることに……
というあらすじなのですが、このヒロインに気概ってものが全く感じられず、受付けませんでした。護衛騎士になれたのは、そこの奥方が主人公の正体を見抜いたうえ、母親と親友同士だったからで、実力ではありません。あとになって「奥方さまが剣の稽古をできるよう手配してくれてれば。私は二年間なにやってたんだ」とかなんとか言ってますが、えっ自分から希望しろよって感じです。男装はしてるけど、男と思わせようと言う努力を何一つしていないので、ヒーロー以外のほぼ全員がすぐに正体を見抜きます。ヒーローと結婚するのは嫌だし、ヒーローは逃げた婚約者を見つけたら殺すとか言ってるので正体は黙ってて欲しい。けど、女であることを明かせてほっともするってことで、すぐにめそめそ泣き出す始末……。こんなヒロインに体臭のきつい(清潔にしてても体質だ、っていうならともかく)ヒーローでロマンス小説なんてなんの冗談なんだろう。とりあえず最後まで読みましたが、この印象はひっくり返りませんでした。すごい苦痛だった。
苦痛と言えば……。
オリンポスの咎人シリーズの続きが図書館で借りられたので借りてきました。(↑はあらすじみて面白そうと思い、ついでに借りて来た)
オリンポスの咎人の超はしょったあらすじはこう。
聖なる箱の番人に選ばれたパンドラに嫉妬した戦士たちが(俺らの方が有能なのにとかそんな)、自分たちの方が使えるよということを証明するためにパンドラを襲って箱を開け、中の魔物を解き放ってしまいます。箱はどこかに消えてしまい、それに怒った神々が、戦士たちの身体を逃げた魔物の檻にするという罰を下します。彼等は家族が病気になったり、妻に浮気されたり、子どもが死んだりというあらゆる災厄を戦士──咎人たちのせいだと決めつける人間(嫉妬の魔物が閉じ込められているのに戦士たちがパンドラに嫉妬したように、魔物の解放とそういう負の出来事は関係がない)──ハンターと戦いながら、許される日を待っていたけれども……?
って感じでしょうか。
三作めまでは簡単に借りられたんですが(二作目は面白かったです。正直ヒーローには「自分で顔をめちゃくちゃにしておいて、俺は醜いってコンプレックスを抱くのは違うんじゃないの?」というもにょるところがあったけど、ヒロインがあまりに可愛いので無問題)楽しみにしてたのは五作目の「怒り」の番人の物語でした。いや、ちょっと三作めまで踏んだり蹴ったりだったので、救済して欲しかったし、ヒロインが天使、って聞いてたので。
けど……最後まで読むことすら出来ないくらい性に合わないヒロインで、上巻の途中で挫折 なにかっちゃ「あなたのために私はこういう犠牲を払ったのに!」とか言い続ける女(ちょっと天使のイメージが作者さんとは違うなと思います)によく欲情できるよなあ……とヒーローにも幻滅です。言ってはなんですが、著者は男性というものを心のどこかで見下してるような気がする。とにかく何を言われても、何をされても「女」には欲情せずにいられない生き物なのよね、みたいな。男性は女性よりメンタル面で非常にデリケートなんですけどね……。初の三角関係ものでしたが、私はもう一人の悪魔ちゃんの方が可愛くて好きでした。
四作目の「疑念」の番人の物語は、最後のあたりまでは面白く読んでいました。スポコンものだったけど、嫌いではないし。でも最後の最後でヒロインが「やらかしちゃった」ことで、戦士たちが宿敵を取り逃がしてからは( ゚д゚)ポカーン です。
「征服」の番人というのがいます。彼は戦いだろうと賭けだろうとゲームだろうと、とにかく負けることを内なる魔物に許されていません。負けるとしばらく地獄の苦しみにのたうち回ることになります。
宿敵を取り逃したことで「負けた」ことになり、彼が死ぬほどの苦しみを味わっている横で「ほんとうにごめんなさい。私ったらつい……」「いいんだ、仕方ないよ」的な会話を交わすH/H。ちょびっとは「征服」の番人にも謝ってたけど、さらっと話をまとめ、「さあ、帰って愛し合いましょう」
えええ〜?! 今仲間の一人があなたのせいでのたうち回ってるんですけど……! 仲間の苦しみより性欲優先?!
──というわけで、オリンポスの咎人はここでお別れしようと思います。二作目のヒロインしか気に入ったと言える人物がいなかったです。