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Category: 映画・ドラマ

私はラブ・リーガル ★逆行41

huluのCMが面白そうだったので見てみました。まだシーズン3の途中なのですが、とても面白いです。

スタイル抜群一流モデル志望の(頭は悪い。……いやかなり良いようにも思えるのですが、要するに男と美容のことしか興味がなく、全く勉強して来なかった)デビーは、ある日携帯片手のながら運転中に事故死。同じ頃敏腕弁護士のジェーンは、銃を片手に乗り込んできたボスの彼女──実は既婚者だった──の夫に撃たれて意識不明の重体に。

死者を天国か地獄かへ振り分ける審査を行っているあの世のお役所へ着いたデビーは、どちらかへ振り分けられるほど善いことも悪いこともしていない薄っぺらな人間と言われたことに腹を立て、役人(天使)のパソコン?のリターンキーを押してしまう。すると意識はジェーンの身体で目覚めることに……。

あらすじはこんな感じ。このジェーン、IQ140以上で天才的に頭が良いと言われていますが、サイズは19号のかなりのおでぶちゃん。(劇中で語られるのですが、アメリカ女性の平均サイズは13号だそう)モデル志望で厳しく自己管理してきたデビーには悪夢でしかないのですが、リターンキーを勝手に押したのは自分、ジェーンとして生きていくしかなく……。

ジェーンの身体に彼女の意識や、彼女自身のことに関する記憶はないのですが、知識は残っており、デビーはそれを華麗に駆使して弁護士として違和感なく生活していきます。

──違和感はアリアリなのですが。ジェーン自身の記憶はなんにもないし。感情はデビーですので依頼人に感情移入しすぎて法廷で泣いてしまったりするし。

けれど、そんなところが魅力になっていて、とにかくこのジェーン、どんどん可愛く見えるようになるんです(*^^*)

そしてラブラブだった恋人のグレイソンが同じ事務所に新人の弁護士として入ってくるのですが、これがまた誠実で良い男で。私は最初、薄っぺらいと言われるデビーの恋人ですので、実は二股かけてたとか、なにがしかのオチがあるのではと思っていたのですが、そういうこともなく、心底死んだデビーを想っている良い奴なのです。そんな誠実なイケメン(だそうだ)弁護士の卵の心をこうまでがっちり掴んでいるデビーは、役人天使が言うほど薄っぺらではなかったんじゃないかな。

何より、唯一事情を話した親友のステイシーがすごい良いのです。同じくモデル志望の、死語で言うアーパーギャル。デビーと同じタイプです。(だからあまり疑わずデビーと似ても似つかない人物の話をころっと信じたとも言える)こういうタイプの女子の「親友同士」っていうの、結構うさんくさいことが多いですが、この二人こそ、真の親友と言っていいと思う。お互いがお互いに、本当に献身的なんですよね。時に踏み込みすぎ立ち入りすぎだと思うので、うらやましいかと問われたらうーん……って感じなんですけど。こんな付き合いの出来るタイプは絶対薄っぺらじゃない。

ジェーンは30代ですが、20代のステイシーときゃっきゃうふふしていると段々同年代のように思えてきちゃいます。無知かも知れないけど、天然でバカっぽいことを言いながら時に鋭く真理を突いてくる、そういう面白さがステイシーやデビーにはあって、グレイソンのような知的なタイプを楽しませ、寛がせていたのかも知れないなあ。

とにかく、見ているとポジティブになれる楽しいドラマです。万人にオススメ!

ただひとつ。Wikiには法廷ドラマってあるけど……確かに裁判シーンは多いけど……それを楽しめるドラマかっていうと┐('~`;)┌ 日本のそういうドラマに比べると非常にぬるい。ぬるいっていうか甘いっていうか……なんか日本じゃ考えられない光景なので……。丁々発止、手に汗握るってことはないですね。これはそこを楽しむドラマじゃないと思う。

 

続きに逆行の続き。非常に短いので、サイト収納時には話数に修正入ります。

そしてすでに最初から書き直したい病~(´д`|||)

breaking bad(少々ネタバレ)

すごく面白かったので、オススメです。なのでなるべくネタバレは少なめで行こうとは思いますが、それでもなんとなくキャラの行く末など悟らせちゃう気がするので、ネタバレ断固拒否!の方はご覧になりませんように。

アメリカでしか成り立たないドラマではないかと思うので、現実感はあまり感じないと思います。

化学教師のウォルターは、予定外の妊娠中の妻と、脳性麻痺で少々の言語、歩行障害を持つ十五才の息子との三人暮らし。かつてはノーベル賞の取得にも関わり、今では莫大な利益を生み出す会社の設立にも関わっていたけど、プライドの高さが災いし、飛び出してからはかつかつの暮らしです。でもかなり年下の妻スカイリーはオークションでのささやかなお金稼ぎを楽しそうにやってるし、息子ジュニアは素直で父親を一心に慕っているし、これを幸せな家庭でないとは誰も言えないでしょう。

そんな家庭に綻びが生じたのは、ウォルターが末期ガンの宣告を受けてから。

アメリカにはいわゆる国民健康保険に該当するものがなく、日本のガン、入院、生命……といった各種保険のように、任意で加入するものしかありません。それでも保険で賄える範囲は非常に狭く、治療やリハビリに九万ドルだの二十万ドルだのという請求が来ちゃうわけです。アメリカでは、医療費が破産の原因になることなど当たり前。中産階級でも家族が大病すれば、あっという間に破産です。

……というわけで、ウォルターは最愛の家族にガンのことを打ち明けられません。ましてや治療のことなど考えられるわけもない。

そんなとき、麻薬捜査官の義弟(妻の妹の夫)から、捜査に同行してみないかと誘われるんです。いや私は……と多分興味もないウォルターは最初は断るんだけど、たまには冒険しろよガハハ的に押しきられ、メタンフェタミン(通称メス。日本ではスピードとかヒロポンとか)製造現場での現行犯逮捕に同行することに。そのとき、隣家から元教え子のジェシーが逃げ出すのを目撃します。

製造現場は雑然として汚なくて、しかも純度は低い。化学者の自分ならもっと純度の高いメスを作ることが出来る。

というわけで、自分の死後残される家族が生活に困らないだけのお金を作るのに、麻薬製造という手段を取ることにしたわけです。販売はどうするのって? そこは見逃してやったジェシーの出番。

……というお話になります。

海外のドラマは人気で伸ばしていって、視聴率が落ちたらすぐ打ちきりで、エタってる作品も多いんだけど(それか強引にまとめに入ったり)これはシーズン5の最終話までにきっちり計画的にまとめられています。アメリカ的には破綻もない。

ただ日本人の目から見るとなー😅

ガサ入れするのに一般の民間人をノリで連れていく、と言うのがすでにあり得ないし、義弟のハンクも高校の備品が無くなった時点で、持ち出せる数人の人間の中に化学に詳しいウォルターがいるって気づかないのが不思議。Gメンなら身内だろうと即疑ったと思うし、例えその時は気付かなかったとしても末期ガンが明らかになった時点であれ? と思うと思うんだけど。でも観てて不自然になるほどハンクは義兄を疑わないのです。ウォルターは行き当たりばったりな行動が多いし、日本の警察なら(麻薬捜査官はアメリカでは警察の所属)もっと早い段階で容疑者にあげてるような気がするのに。

なのでアメリカでは現実に起こりうるリアルなドラマでも、私には荒唐無稽なファンタジーと大差ないものに感じられました。

ただそれでもすごく面白いと思えます。個性的なキャラクターにはムダな配役はなく、話も最終回ありきでしっかりまとめられて、最終回を見たあとは思わず深いため息を付いてしまったほど。

このウォルター、ムダなプライドばかり高く、傲慢で自分と家族のことしか考えてない。呼吸をするように嘘をつく。私はこの手の男が好きではないんですが、あまりに演技が上手すぎて終いには奥二重の目とか弛んだ身体やブリーフまで忌々しくなるくらい。GOJIRAを観てなかったら役者さんまで嫌いになっちゃいそうなほどです。ジェシーを頼るのは仕方ないとしても、その扱いは納得がいくものではないし。「聖職の碑」を読ませてやりたい。

このドラマでは、主人公サイドに好きになれる人物はいませんでした。(魅力がない、というわけではありません)赤んぼのホリーくらいかな……? ジュニアが素直で可愛いと人気があるようだけど、発言枕?とか言うのを持っての家族会議のあたりからすでに好きではなかった。開始時十五、って年齢を思えば人の身になってものを考えられなくても仕方ないのかなあ……。ジェシーはちょっと道を踏み外してるだけで、心根は優しく、友達思いで、精神的には決して強くない、ウォルターとは対極をなすキャラクターで、ここだけ見れば好きになれるキャラなんですが、あまりに直情的で考えなしで、彼のせいで多々災いを呼び寄せてしまうところが時折イラっと来る。ハンクは典型的なアメリカのマッチョ、って感じなのですが、実は非常に繊細な性質を隠すための見せかけの部分が多々あるところに魅力があったと思います。妻のスカイリーの行動は、おおむねなんかわかる……って感じなのですが、何処へ行ってた何をしてた家族に秘密を持つなとしつこいのがうざかった。自分の欲しい意見ではないと切れるのなら会議の必要ないじゃん、ほんとウザーと。

ガスやマイク、ガスが連れてきた科学者のゲイルなどは好きだったなあ。それぞれ性格も生き方も違うんですが、なんとも魅力的でした。特にマイクは💕 あとジェシーの友人の三バカとかは全員バカを通り越して可愛かった。

例えば人を殺したいとか、何か盗みたいとか、そういう願望や気の迷いを思うだけで実際に起こさないのは、子どもの頃から叩き込まれた倫理観のほか、家族に迷惑をかけたくないという思いが大きなストッパーになっていると思います。世間様には、犯罪者の身内も犯罪者に見えるのが現実、自分が捕まったら親や夫は仕事を馘になるだろう、ならなくても自主退社に追い込まれるに決まってる、兄弟や子供も学校で虐められる。友達の親はあの子と遊ぶなって言うだろう……子や孫も結婚していれば離婚されるかも知れない……罪を償って出てきてもまともな仕事には付けっこない……など、身内を大切に思えば思うほど、後ろに手が回るようなことは絶対に出来ないものです。

ウォルターを見るとそういうことを気にしている気配はあまりないので、家のありさまを見て全くの個人主義ということはないにせよ、アメリカは身内が自殺に追い込まれるほどではないのかも知れないと思います。それって良いことなのに、逆に犯罪に対するハードルを下げちゃうのでしょうか? 何度も手を引く機会はあったのに、五百万ドルで足を洗うこともできたのに、それをはした金と言い捨てて麻薬の製造を続けるのは、どっかに家族は無関係として扱って貰えるという世間への信用があったからなのか。ジュニアが学校でイジメにあってるような描写はなかったし。だから自分のプライドの方を優先させられるんでしょうか。

でもなあ……😓 やることなすことがひどく大雑把なのに、ぜーんぜん捜査が入らないんだもん、犯罪者も舐めるよ。証拠はなくとも、高校の備品が無くなった時点でウォルターに疑いの目が向けられていたら、その後の展開は違っていたと思います。

日本では「お前のためにやったんだ」「頼んでねーよ」ワンセットが古い様式ですので、今時お前のために云々と自分の選択を他者に擦り付ける発言をする人も少ないように思いますが、海外ドラマってこの手の台詞が非常に多く、また「頼んでねーよ」と返すキャラもいないことから、「あなたのために」はぐっとくる台詞扱いなのかなあ。私は聞くたびにモヤッとするんですけど。

なんだかまとまりのない感想になっちゃったけど、すごいグズグズ言ってるけど、稀に見る良作なのは確かです。観始めたら最期、きっとエンディングまで止められないはず。

……私、ウォルターは嫌いとか言ってますが、それでも最終話は彼に涙してしまったのです。

アウトランダー(壮絶にネタバレ有)

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我が家の赤ちゃんですhappy01

 

 

……嘘でーす。持ち主がここでは寝ないので、この人の巣になっています。おむつを替えたり、トイレに行ったり食事をしたりする時の一時置き場として半分を使い、あとはお布団や色んなものの置き場になってたり。

相変わらず昼間は抱っこしたままドラマ、映画三昧です。本屋で本を物色するようにレンタル屋さんでDVDを物色するのが好きなので、映画はこれまで通りレンタルビデオ店でレンタルすることにして、海外ドラマに強いhuluに加入し、前から気になってたアウトランダーのシーズン1を、時々ブレイキングバッドを観ながら視聴中。苛々するので……。ブレイキングバッドは終わったらまとめて感想書きたいです。(何日もかけてちまちまこの記事書いてたら見終わっちゃった)

イメージでは、子どもが寝た隙にあれこれできると思ってたけど、パソコンは立ち上げることさえ出来ないことが多いし朝電源入れて1度も前に座れないまま夜電源落とす、って有り様で。ブログはスマホで更新することにします。

 

アウトランダーは原作がロマンス小説で、舞台は18世紀ハイランド。その上タイムスリップものとくれば大好きなジャンルです。主人公の出発地点が21世紀ではなく1945年、つまり第二次世界大戦終戦直後なのがちょっと新しいかも。携帯やパソコンが普及している現在から跳んでもらう方がより文明レベルのギャップが大きくて好みなんだけれども、そこの所がとても良く考えられてると思います。

と言うのも、主人公が従軍看護婦だから。

医療の知識があっても、今現在の看護師さんが突然1743年に行って出来ることは多くないと思います。薬も器具もないし。だけど主人公のクレアは何もかも足りない戦地での医療を経験し、そこいらに生えてる植物を利用できるよう薬草の知識を蓄えていたので、なんとかタイムスリップ先で治療師として生きていくことができるわけなんです。

戦地を点々としていたクレアは、戦争が終わってようやく夫と暮らせるようになり、2回目のハネムーンとばかりにスコットランドを旅することに。歴史学者である夫の蘊蓄を聞きながら、植物の観察や採集をのんびり楽しんでいました。で、小さいストーンサークルから過去へタイムスリップしてしまうのです。イングランドとスコットランドが一触即発状態の時代に……。

そこでヒーロー、2番目の夫となる人物に出会います。

どう見てもクレア(の女優さん)の方が歳上に見えるし、私は20世紀の夫フランクと子どもが欲しいわとか言ってたのも踏まえ、40いってる女優さんに見えるけど30代後半設定くらいかなと思ってたんだけど、作中で27と判明……まず無理があるって……。

このクレア、なぜかいつでも刺々しく喧嘩腰で、全く女性らしい柔らかさを感じないので、余計に年食ったおばさんに見えます。このヒロインが女性らしい柔らかさ、そしてあざとさを持っていたなら、拗れずに済んだ事態は多かった気がする。男尊女卑の激しい土地の人々に男女対等な20世紀の女性として応対してしまうのはそう育っているんだから仕方ないとしても、プライドの高い男たちをやりこめて得意になってるのはあんまり感心しない。最終的に要求が通るのなら、過程はどうでもいいというか、下出に出たりおだてたりしても相手が気分良く聞き入れてくれた方が問題がないのに。そういう点、1968年からタイムスリップしてきたもう1人の方が賢く立ち回っていて好感が持てました。

私が男なら、こういう女性を可愛いとは到底思えない。征服欲は満たされるかも知れないけど、家庭を持ってもちっとも安らげそうにない。だからそういう女性に思いを寄せる男たち(ロマンスものだから)にも魅力を感じないんですよね。そんなふうに思うのは私が女だからで、男性から見ればまた別なのかもしれないけど。けどロマンスものはヒロインに感情移入出来なければ浸れないもの、結局ヒロインの刺々しさに苛々するばかりで、ストーリー自体は骨太で男性でも歴史物として楽しめそうなほどよく出来ているのに入り込めず、時々休止してブレイキングバッドを観てたわけです。

素性をごまかすための彼女の作り話も頭悪そうでいらっとするし、「約束」があまりに軽くてびっくりします。面倒に巻き込まれるから友人には会いに行くな、約束してくれとヒーローに言われ「約束する」と誓うのに、その友人から今すぐ会いに来てと手紙を貰うと(結局は別人の出した手紙で、ヒロインを陥れる罠だった)悩む素振りもなく馬に飛び乗ってるし! ヒーローとの約束はよ?!

……で、危うく火炙りにされそうになると。

もー火炙りにされちゃえよ! 炙られながら約束を軽々しく破ったことを悔いるがいい! と私が思ってしまっても誰も責めないと思う……

私にはもう何もかもが腹立たしく、魅力がないどころか嫌悪感すら感じるヒロインです。

1話目、20世紀のスコットランドにてもしやヒーローかな? と思う人影も目撃されてて、もしかしたら18世紀から逆トリップしてくる可能性もあって、ヒロインが好きになれなくても先は気になる。シーズン2もおそらく見ると思います。

ロマンスもので、ヒロインではなくヒーローが強○されるというストーリー展開は新しかった。好きではないけど。だってヒーロー、むくむくのむっきむきのうえ、髭面なんだもん……。そういう男がサディスト軍人に組み敷かれるってシチュに萌える方もいるのでしょうが、私はジュネ世代の人間だし、無理です。ジュネ育ちの人間でも萌えるような綺麗系ヒーローだった場合、ご承知の通り私はそもそもそういうタイプの男に雄としての魅力を感じませんのです……。そういう意味では、ドゥーガルとかの方がよほど好みでありました。例えハゲてても。ゲイリスも焦って行動さえしなかったらなあ。ドゥーガルの妻を殺すのは、夫を殺してからせめて1年は置いてからにしようよ……。

女1人では身分の保証もない時代に跳ばされて、愛情は欠片もないけど地位は高い男と結婚することで生活の基盤を得た賢くしたたかな女性がようやく愛を得たのに、最後に行動をしくじったせいで何もかも台無しにするとは……。ドゥーガルが本当に信じるに足る男だったのか判然としないだけに残念です。ヒーローがサディストに捕らえられると、死んだと見越して自分の妻になるようヒロインに言うのですが、ゲイリスを本気では愛してなかったおっさんのスケベ心なのか、状況的にそれがベストだと思ったがゆえの提案だったのか。悪魔の子にされてしまったお腹の赤ちゃんが可哀想でなりませんでした。

原作がロマンス小説であるというのはあんまり意識しないで歴史物として観るのにはとても良いドラマだと思いますが。ベッドシーンは多いけれども、そこはゴールデン洋画劇場の時間に放送出来ないレベルじゃないんじゃないかな……多分。

ただグロシーンは多いので、耐性ない方にはきついかも。私はかなり強い方ですが、それでも最終話は目をちょっと逸らしちゃいました。あのサディストの付けた怪我の治療が耐えられず……。

サディスト野郎とヒロインの20世紀の夫、同じ役者さんなんですが(子孫と先祖の関係なので)、フランクの時は知的で穏やかで、戦後の倦怠感、憂いを秘めたような表情にも見えるのに、18世紀のサディストは顔つきからして気持ち悪いの一言。すごいと思う。ただどっちも頬の縦皺ばっか目につきましたが……。

 

先月29日にメッセージ下さった方、ありがとうございました。レス不要と仰ってくださいましたが、一言だけ。同じ経験がおありとのこと、そのときのお気持ちはとてもよくわかります。誰に何を言われても、何が悪かったのか、あれのせいかこれのせいか自分がもう少しちゃんとしてれば……とずっと考えて、罪悪感でどうにかなりそうになるんですよね。私は最初のうちだけだったですけど……

その後お子さまに出会うことができて、本当に良かったですね😃

小学校に上がり、友達と外で遊ぶようになると、また違う心配など出てきて大変なんだろうなあと思いますが、頑張って下さいね! 私も頑張ります!

ウォーキング・デッド

観忘れてたBONESのシーズン9と、シーズン10の観られるとこまで観てしまったので、以前から観よう観ようと思いつつ時間がなくて手を付けないでいたウォーキング・デッドを一気にシーズン5最終話まで視聴。

以下、登場人物の生き死にまで豪快にネタバレしてますので、嫌な方は回避して下さい。

 

闘犬35〜37話再アップ

ちょっと修正に苦戦していました。ピオニーもそれなりにやるのよ? を表現したくて以前ばばばっと書いたものがあったのですが、最初のアップ時にはなんか気に入らず、こんなんなら今更要らないかなと思ってざっと削りました。今回はDVDとか見直しながら何度か頭の中二人を戦わせてみたんですが、実際に映像を観たあとだと文字じゃどうしても伝えられないですね。

そんなわけで、二人の戦いってどんなもの? って思われた方は(まあいないだろうなってわかってるんだけど、一応)「マッハ!!!!!!!!」か「トムヤムクン!」をどうぞ。元ネタのダニー・ザ・ドッグではおそらくカンフーでしたが、アッシュが修めたのは私の個人的趣味によってムエタイというイメージです。

マッハは仏像(頭部)、トクヤムクンは攫われた家族(象ですが、主人公は父親のようにも兄のようにも思っているし、またその子象を弟だと思っているのです)を取り戻しにいくお話です。前者と違って後者は攫われたのが生きている者だから重苦しいのですが、どちらも俳優トニー・ジャーの身体能力を存分に堪能できる素晴らしい映画ですので、アクション映画には興味ないのよね……という方にも一度は観ていただきたいなあ。むしろトニーの身体を、身体能力を、口をぽかんと開けてご覧いただきたい! 

ちなみに、両方ともワイヤー、早回し、スタント、CG、一切使っていません。表現は肉体一つです。

私はマッハの方が若干好きかなと思ってたけど、改めて見直してみるとトムヤムクンの方がトニーがカッコ良かった。(お話の内容としては明らかにこちらに軍配が上がる)子象のコーンは、何度観ても悶えるほど可愛いheart04 きゅうきゅう鳴いてるのにアハーン(*´Д`;)ハアハァ ってなります、いや絶対。最後らへんにトニーを守ろうとコーンが戦う?ところなど、何度観ても「あああ!!」って悲鳴を上げてしまう。トニーは実家で象を飼ってるそうなんですが、特別なことでもなんでもなく普通に触れ合える環境、っていうのがちょっと羨ましかったりしますね。象の弱点って結局明言はされてないのですが、お話的に「大型動物の腱」云々ではなく多分「愛するもの」のことなのではないかと思います。そういう生き物なのだと、タイの人々は当たり前のように思っているんだろうなと思うとますますタイに対して親愛の気持ちが沸き上がってくるような気がします。ビバ!タイ料理!!(違う)主人がいかに嫌っても、パイナップルチャーハンを私は永久に愛するぞー

とうとうトムヤムクン2も「マッハ!無限大」(紛らわしいけどマッハの続編ではなくトムヤムクンの続編)というタイトルで2月14日から公開されることになったので、これは絶対映画館で観たいです。今回はワイヤーアクションとCGがあるらしいけど……がっかりしない使い方だといいな。

コーンがまた密猟者に誘拐されちゃうらしい。男の子だけど、もはやヒロイン枠だなー。

古式ムエタイってほんっとに一撃で戦闘終了(無力化というか人体破壊というか)させるのに特化しためちゃくちゃえげつない武術なんですがそれを超信心深い、村の純朴な青年がやるもので余計萌えるというか燃えるのです。

あっと、忘れてた。ご指摘ありがとうございます。修正しました。

Arn 鋼の騎士団

200分近くあり長いので、ディスクが2つに分かれてました。

スウェーデンがまだ統一国家ではなかった12世紀半ば。母の誓いによって、幼いアーンは修道院へ預けられることに。そこには武術に秀でた元テンプル騎士がおり、アーンが熱心に稽古の様子を見ているのを見て、弓や剣、馬術を教えてくれるようになる。

成長したアーンは尼僧院で歌を歌っていたセシリアと恋に落ち、結婚を誓うのだが、姉が結婚すれば、自分はそのぶん持参金不足で修道院で足どめを食うと、それを嫌ったセシリアの妹によって二人は陥れられ、罪を償うためにセシリアは尼僧院へ、アーンはテンプル騎士団へと、20年の別離を余儀なくされる。

セシリアは尼僧院で産み落とした息子を奪われ、アーンは彼女の知らないうちに十字軍騎士として、エルサレムへ向かい、聖地奪還の戦いに身を投じる……。

というようなお話。

このころの映画や小説は結構ありますが、第三回十字軍を破って100年ぶりにエルサレムを奪還し、あの獅子心王リチャードの猛攻を耐え抜き、200年に及ぶ十字軍の戦いに終止符を打ったサラディン、やっぱり人気がありますのでたいがいイケメンになってますね。っていうか、イケメンにしないと許されない雰囲気ありますよね。(人格者で知られ、当時はヨーロッパでも人気があったし、十字軍にすら彼を尊敬する者は多かった)arnでもやっぱりイケメンでした。

長くエルサレムにいたせいで現地の言葉はネイティブ並み、そしてそのサラディンに出会ったことによって、アーンはイスラム教徒を鏖殺することしか頭にない血に餓えた十字軍兵士とは違う成長を遂げたようです。それが結果的に、テンプル騎士全滅と言われた敗戦で、アーンの命を救うのですが。

このころ、十字軍はイスラム教徒の捕虜を皆殺しにしてましたが、サラディンや彼の弟は殺さず解放していました。十字軍の女子供を含め武器を持たない人々に対する横暴は知れば知るほど当時の某宗教への嫌悪感を感じさせ、ほんとに腹立たしいほどなのですが、中でもベドウィンの人々(非戦闘員)を護ろうとするアーンを罵る騎士の姿には、こういう無知蒙昧さがあの時代普通であったとかそういうのわかってても苛々させられました。テンプル騎士が(というか騎士が)どれだけ馬を大切にしていたか後世まで伝わるほどだというのに、言うに事欠いてその騎士が、タイマンに負けた!腹いせに!アーンの馬を刺殺するシーンは怒りが沸くというより気持ち悪かった。アーンに瞬殺されざまあだったのですが、私としてはこういう騎士どころか男の風上にも置けないようなチ○カス、チソコもいで女の集団で囲んで指差して笑ってやりたい。

また最初の指揮官が、アーンとは最初から折り合いが悪かったやつに替わってからも苛々は続きます。無能なやつほど自信満々で部下の進言を聞かないし、伝家の宝刀「私の命令に黙って従ってればいいんだ!」をこいつも過たず抜きました。いやだから、君の言うことに黙って従ってたら死んじゃうから意見するんだってば。こいつも結局ざまあな最後なのですが、こういうシチュエーション見るたびにいつも思うんです、死ぬまでの短い間でいいから、周囲の兵は冷たーい目を向けて口々に「無能!」と罵ってくれないかな、と。

後半はセシリアと無事再会し、森の中で彼について来た人々とともに小さな集落を作って平穏に暮らしているのですが、幼なじみであり、王座奪還に手を貸してやった王が亡くなってから、否応無く再び戦いに巻き込まれていきます。戦のいの字も知らないような新王は兵力に勝っているせいでアーンたちを哀れむように見下してるのですが、長い間激戦をくぐり抜けてきたテンプル騎士の生き残りになぜ必勝だと思っていたのだか。この王様、命だけは繋がりましたが、大勢の自軍兵士の前で「二度と来んな」と蹴飛ばされて、這々の体で去って行った姿にすっきりと溜飲が下がりました。

白兵戦は当時の剣の特性を生かし、ひたすら「突く!」って感じでリアル感ありましたし、実際の戦闘の場でやると隙になるんでしょうが、両効きのアーンが空中で一回転させて反対の手に移したり、右に左に剣を持ち替えて戦ってるのはカッコ良かった。私はサラディンのファンなのですけれども(笑)

アイアンクラッド

二年か三年前の映画なんですが、観たいなと思いつつ忘れていたのを「ハマー・オブ・ゴッド」か「キャプテン・フィリップス」の予告にその続編の映像が入ってるのを観て思い出し、今日返却ついでに借りて来ました。

意に反して強制的にマグナ・カルタに署名させられたジョン王(欠地王とか失地王とか言われてるあのヒト)は質の良くない傭兵を連れ歩いて、王権を回復しようと各地で大暴れして、ロンドンに迫る。それを押しとどめられる最後の砦、ロチェスター城に、迷えるテンプル騎士トーマス含む僅かな手勢をかき集めて反乱軍を結成したオルバニー卿が篭城し、フランスからの援軍が来るまで持ちこたえようと(もちろんジョンを倒してやると言う気炎はあげていた)戦うのですが……。

なんと20人対1,000人。

仲間に弓の達人がいるので、戦闘開始の最初のやりとりのとき、「ここでジョンを射っちゃえよ!!」と当然思うのですが、これは一応史実に沿った映画なので……(´・ω・`)

投石機、火矢、梯子で攻めて来る敵に対し、煮えたぎった油を上からぶっかけたりと、中世の篭城戦をかなりリアルに再現していたと思います。際立った軍師がいて奇策を立ててくれるわけでもなし、元十字軍騎士の主人公が戦国BASARAの武将並みの鬼神なわけでなし、白兵戦の表現はものすごく派手だけど(つまりちょっとリアルと言うか……苦手な人はグロいと思うかも)、とても地味です。雨が降り、雪の降る季節になって、ジョン王は主人公たちが弱るのを待ち、篭城兵士たちは餓えて乾き、ついには馬までが食料になってしまう。騎士である主人公の馬だけは殺してはならないという騎士の誓いのもとにトーマスが守り抜いたのですが。

オルバニー卿が集めた味方というのは、戦闘では頼りになるものの一癖も二癖もある、でもどこか憎めない連中なのですが、あるときは何気なく、またあるときは劇的に一人一人命を落として行き、援軍はなかなか来ず(別場面でそれらしい話をしている場面は出るんですが、こちらは状況を知っているだけにまだるっこしくて! 「(彼らが持ちこたえることを)神に祈ろう」とか言ってたってこちとら信念ある無神論者ですので「ああああ!!」って髪をかきむしりたくなりました)

主人公トーマスも確かに仲間内では抜きん出て強いのですが、どんだけ劣勢になっても戦っていられたLoRのアラゴルンなどとは違い結構気絶しちゃって、仲間が命を落としながら死にものぐるいで戦ってるのに参戦してなかったりと、なにげに「イラ……」とさせられるのですが、こういうとこもファンタジー映画ではなく史実を再現した歴史映画のリアルさなんでしょうね。城門が破られ、城主の奥方までが武器を取って戦う……というか逃れようとする姿が、ものすごく切羽詰まった感を醸し出していました。

トーマスはフランスから援軍が来るなどとははなから思っていないようだし、戦いに倦んでいる、その辺にも全く語られない彼がテンプル騎士団を離れた理由が凝縮されている感じで、ぺらぺら過去の話をされるより、十字軍が聖地奪還を旗印に現地で行った悪逆非道が胸に迫ります。

オルバニー卿が人質に取られ、「決して降伏するな!」叫びながら腕を切り落とされてゆくシーン(史実です)、トーマスは卿を慕う従者ガイに「見るな」と言うのですが、序盤は人を殺したこともなく、ぼっちゃんぼっちゃんした感じだったガイが「(あなたを助けるためでも)決して降伏しない!」と死に行くオルバニー卿に叫び、血走った眼を見開いて卿が手足を切り落とされ、投石機で壁に叩き付けられるところをじっと見ていたのが印象的でした。当時は、こういう形で「男」になっていく少年や青年も珍しくなかったはずですが、こういうシーンを見るのが私は一番辛い。オルバニー卿は安心して逝ったかもしれないと思うけど。

ぎりぎりで援軍が来て、ジョン王は撤退を余儀なくされるのですが、生き残りはなんと城主の奥方含め三人。ほとんど全滅に近いですが、ガイは援軍を見据えて「勝った……」と呟きます。確かに。犠牲は大きかったですが、篭城戦は撤退させた方が勝利者です。爽快感はないですけれども。「英雄だ」と言うガイに「死んだ者にこそ生きる価値があった」とか言う感じのことを呟くトーマスは、十字軍に続いてこの戦いでも生き残ってしまったことに罪悪感を抱きながらも、どこかそれが神に下された自分の運命だと受け入れたようにも思えました。

画面は薄暗く、登場人物たちは薄汚く、着ている物に蚤やシラミがたかってそうな、そしてまるで臭ってきそうな感じすらします。天気は終始悪く、イングランドだから、というだけではなく、あの時代の先行きの不透明な不安感を否が応でもなく煽っていました。ほんとに地味〜な映画なのですが、素晴らしかったです。流血描写に馴染みがない方以外には全力でおすすめできる!!

個人的にはあの最悪な王の惨めな死に様とかもちょっと見たかったんですが……。画面からは史実通りどこぞで苦しみ(赤痢で)、孤独に死んだ感がありましたが、オルバニー卿よりも悲惨な殺され方とかしてキーキー悲鳴を上げてるのみてすっきりしたかったです。イングランドではこの王の名があまりに悪名高いため、王の名に「ジョン」は付けないという噂がありますけど、ほんと納得のいくクソッタレっぷりでした。「こういう風な男になったのにはこのような理由が」的な描写もちょびっとはあったけど、ぜんっぜん同情出来ず「あっそ。ふうん」で流しちゃったほど!

一点だけ、リアルじゃないほうが良かったのにと思う点について。

これは完全に私の好みなんですけれども……。中年の童貞(トーマス)食いの城主の奥方が、ほんと「満たされない奥方」って感じの女優さんで(失礼)なんか変にリアルというか、生々しいというか。女兄弟どころか母親とのキスさえ許されない貞潔の誓いに縛られた騎士を迷わせ、誓いを捨てさせるのだからなんというか、もっとこう……神々しい感じの人っぽい生々しさがあんまり感じられない美女のほうが良かったなあ。まあ、そんな美女と最後二人で暮らしてくって考えたら、現実味がないんだけど。トーマスは貧乏に当然慣れてるだろうけど、映画の奥方はそんな生活にも逞しく順応しそうな感じの女性ではありました。

……って、テンプル騎士団テンプル騎士団って書いてて、アーンを観るの忘れてたことも思い出しました。ブラッドウォーと一緒に今度借りて来よう。

ウォーム・ボディーズ

ゾンビ男子Rとニンゲン女子ジュリーによるゾンビ・ミーツ・ガール物語。っていうかロミジュリです。名前もRとジュリーだし、あの有名なシーンのオマージュ的シーンもありましたしね。

主人公はゾンビ、名前はR。ゾンビになると知能が著しく低下するのテンプレ通り、Rも人間だったときのことをあれこれ忘れており、名前も「確か、最初はRだった」くらいしか憶えていないのです。

とはいえ、そんなことを考えているのも変わったゾンビということなのか、映画はほとんど彼の語り(ぼやき?)なのですが、最初から「ゾンビの生活も色々大変なんだな……」と彼に感情移入してしまいます。親友もいるし。(最初はちょっと知能を残してしまった主人公の思い込みだと思いましたが……)

ある日、団体で街へ食事に行くのですが、なんとこのR、食料であるところのジュリーが果敢に銃をぶっぱなして応戦している姿にまさかの一目惚れ。おまけにジュリーの彼氏の脳みそを食べてしまったことでその記憶を見てしまい(そういうことができる。脳を食べられた人はゾンビにはなりません)想いが深くなってしまったようです。

なのでRは全力でジュリーを護ることにするのですが……

この二人の出会いが、なんと世界をも変えて行くという壮大なゾンビ映画ラブストーリーです。

以下、超ネタバレ。観る予定の方は後でどうぞ。

「君の彼氏を食ったのは俺だよ」
と、ジュリーの好感度が有る程度高くなったあと、隠しておくことに耐えきれないようにRは告白します。彼氏を食べたゾンビと恋愛が出来るかと言われれば……Rがイケメンというのはちょっと置いておいて(実際しばらく後まで気付かれてなかった模様。一目瞭然なのに)普通は難しいとは思うのですが、父を失った彼氏が変わって行ってしまったことで、少し溝が出来ていたのかな、と思います。(後は絶対吊り橋効果もあるよ、ジュリーには。心臓があってドキドキするんだし)バランス感覚が良くて、Rが生きるために(死んでるけど)人を食べることを哀しくは思っても、非難はしませんでした。徐々に食べられなくなってたようですが……。取っておいて大事に食べてた彼氏の脳を吐き出したのは、決して彼の記憶に当てられたからだけではないと思います。

通常のゾンビ映画は当然未感染の人間が主人公になり、ゾンビは単純に「敵」なわけですが、主人公がゾンビになるとその辺りのことにもどこか悲哀が漂うんですよね。とはいえ、コメディとまでは言えないものの、基本は明るい映画ですからあまり深刻には悩んでないのですけど。グロに慣れない人でもこのくらいの食人描写なら多分大丈夫なのではないでしょうか。最初だけだし。

最初に追われて二人が走って逃げる所、時々光と影のバランスによってシルエットになるのですが、普通に走っているジュリーの横でRがゾンビ走りになってるのがかなり笑えました。ジュリーがRの血だか体液だかで人間臭を隠し、ゾンビのふりをして危機を逃れる所などもジュリーが可愛くてくすっとしてしまいました。

二人の距離が近づいていって、ジュリーが心細さにRと手を繋いだのを見た時、他のゾンビたちにも変化が起こります。はっきりとハッピーエンドですので、鬱っぽいの嫌だな、という方にもおすすめ。私は手元に置いておいてもいいかな、とちょっと思ってます。

「魔女と呼ばれた少女」(そのうち感想書きたいです)「フローズン・グラウンド」(実話だし、感想はいいかな。のらくら言い逃れるハンセンの上唇がキモ憎々しかった。役者さん、すまぬ)を続けて観た後だったので、余計に爽やかな映画に思えます。最初は敵対していたゾンビと人間、深読みしようと思えばかなりメッセージ性も感じ取ることが出来ると思いますが、この映画はそんなことを考えず、素直に二人の恋の応援をしたい。美男美女だし!

話は変わりますが、the HIATUSの新譜、私的キラーチューン無しです。何度か聞いてみたけど、ちっとも頭に残らない。残念。完成度は3rd、好きなのは1st、2ndで4thは最下位だな〜>< 音楽性が違うから比べるものじゃないけど、エルレ繋がりならナッシングスに軍配があがる。圧倒的に。

オーガストウォーズ

レンタルショップで観ると気になるのに、かといってどんな映画なのか調べてみようとか、借りてみようとはなかなか思わなかった映画の一つがこれ、『オーガストウォーズ』です。

パッケージのあらすじを見ると、戦地に取り残された小さな息子を母親が救出しにいく、というようなものなので、私はてっきり『コマンドー』のシュワちゃんとか、『96時間』のリーアム・ニーソンみたいなものかと思っていたんですが、全然違いました。

5枚で1,000円にするための一枚で、ちょっと気になってたこれにしようって、ほんとにあらすじしか見てなかったので、オープニングでいきなり変なロボットが出て来て驚愕。間違ったもの借りて来たのかとPCでパッケージのジャケット確認してしまいました。露製パシフィック・リムというのが売り文句だったんですね。(ちなみにパシフィック・リムは私には合わなかった。中の人の動きにドン引きしてしまって。全然かっこいいと思えず……)

ですがロボットは関係ないです。主人公クセーニアの小さな息子チョーマが、周囲を取り巻く人々、環境を自分をヒーローに見立てて妄想?しているだけで、精神世界の登場人物です。アメリカ映画なんかだと、7〜8歳くらいの男の子があれこれ痛快に活躍したりするわけですが、このチョーマ、かなりリアルに助けを待ってるだけの役でした。私も毒されているのか、この子の妄想癖(すでに想像力の域を超えてる)とか、焦る母からの電話に出ないとか正直いらっとさせられたし、途中で自閉症とか、それに似たなんらかの障害を持っている子なのかもしれないと思ったりしましたが、きっとクセーニアの今彼を含む、自分にとって望まない環境から心を護るすべでもあったんでしょう。最後まで観て、そんなふうに思いました。

以下、ネタバレ有りです。

クセーニアの元夫は平和維持軍の兵士で、今にも戦争が起こりそうな紛争地帯にいます。元夫は息子のチョーマをこちらに寄越してくれと何度か申し入れてるようですが、危険だと言うのでクセーニアは突っぱねていました。

その時は、両親に孫の顔を見せたいからと言われたのもあるし、たまたま今彼に「ソチへ一緒に行こう」と誘われており、多分魔が差したんですね。彼女は息子をものすごく愛しているけれど、元夫に預ければ、自分は今彼と一緒にソチへ行ける、と。(息子は今彼を蛇蝎のごとく嫌っている模様)

その後冷たい今彼に愛想を尽かして、クセーニアはその前線へ息子を捜しにかなり無謀な旅に出るのですが、きっと息子への愛だけではなく、自分を許せない思いもあっただろうと思います。

このクセーニア、なんだかスタイル全体のバランスはあまり良くないような気がするのですが(首が長く、肩幅が小さく、かなりほっそり)、顔は文句無く美人ですし、しかも今彼に会いに行ったまんまのカッコなので、前線に行くのに超ミニスカート。だからってわけじゃないと思いますが、行く先々で主にメンズが手を貸します、次々と。(笑)美人は得するの典型でもあるのですが、やはり多くのメンズにとって特別な存在である『母親』が、戦場へ息子を迎えに行くという気迫が胸を打ったんじゃないかな。最初に少し手を貸した兵士たちが彼女を見つけ、「彼女、生きてたんだ」とほっとしたのもつかの間。狙撃兵たっぷりの道を構わず駆けて行く彼女を見ての「まじかよ、ありえねえw」というロシア兵士の台詞にはちょっと笑いました。

元今彼、元夫、共にヒーロー顔ではないのですが、クセーニアを助ける男たちの一人がイケメンだなあと思っていたら……heart01

クセーニアは戦場を行かねばならない自分がド素人で無力であることを自分で分かっているし、必死なのもあって、なりふり構わず「力を貸して、助けて」と乞うのですが、すごい素直で、プロの指示にはなんの反論もせず従います。イケメンロシア兵リョーハの俺様的指示にも黙って従い、彼の背中に隠れ、言われた通りベルトを掴んでちょこちょこ後を付いて行く姿がめちゃくちゃ可愛かった。ロシア兵たちの凄まじい戦いぶりを間近に見て呆然と「……お給料はいくらなの」と呟いてしまうシーンも可愛い。「車の運転はなんだか怖いわ……」とか言ってたくせに、息子のためになら命を賭けたカーチェイスもやり遂げる。すごい母親ですよー。途中でミニスカの下にジーンズ履いちゃったのはちと残念でしたが。(別に女性の足が好きなわけではなく、戦場をミニスカで駆け抜けて行く非現実性が結構気に入ってたのです)最後は……うーん、なにやらこの二人には『その後』がありそうな終わりで満足でした。最後の最後できちんと現実を見るようになったチョーマも、リョーハへの態度は元今彼とは全然違いますし。リョーハのお母さんも、嫁と孫が一辺に出来れば、少しは元気になってくれるのでは。

この映画、2008年に起こった南オセチア紛争が舞台となっています。ロシア軍が協力しているだけあって、戦闘シーンは非常にリアルですし、戦争ものというよりヒューマンドラマとしてすごく良く出来てた。残念な恋愛脳の持ち主である私も、ほんとそこはかとなく漂ったロマンス臭のおかげでさらに満足しましたし、持っておいてもいいかも。返す前にもう一度観たいくらい思ったので。

セデック・バレ

前から観たいなと思っていたんですが、全編観ると4時間半にもなるのでなかなか手をつけられませんでした。

でも観始めると夢中になり、一気に観てしまったので、いつ手を付けてもきっと大丈夫だったんだと思います。
それほどすごい映画でした。マイベスト10に食い込んだと思います。(何が滑り落ちたんだろ)

1895年から50年間続いた台湾の日本統治時代。虐げられ、苦しい生活を強いられていた台湾の原住民セデック族の男たち300人が、数千人の日本軍、警察官を相手に武装蜂起した「霧社事件」を描いたものです。

勝利者、或は強者が、敗者、或は弱者を支配し、統治する。そういう時代はいつでも、どこでもあったことですし、現在進行形の所ももちろんあるわけですが、相手が人であることを忘れず、きちんと良識と敬意を持って接していれば、避けられた戦いもたくさんあったんでしょうね。

セデック族は首狩り族ですので、戦闘では大いに首が狩られます。ラストオブモヒカンの頭の皮剥ぎは柔らかな表現に変えてあったけど、これでは容赦なく狩ってます。でもどうしても駄目だという方以外には出来るだけ観ていただきたいなあと思うので、詳しい話は避けますが、映像も音楽も、そしてストーリーも素晴らしかったです。(狩りの獲物とか、象徴的に登場する小鳥、滑走路などがはっきりCGと分かってしまい、一瞬素に戻されることはありました)

一部の方では、ダンスウィズウルヴズやラストオブモヒカンをやはり思い出しました。こんなにかっこいい生き様の部族が台湾に存在することなど、この映画を知るまで知りませんでした。

日本にも多いに非がありますが、この映画のすごい所は必要以上に物事を美化していない所です。剣の形も相まって、「グルカ兵かよ」(グルカ兵 最強 などでぐぐると信じがたい伝説の数々が)と思ってしまうほど戦闘能力の高い人々なのですが、武装蜂起した時に、女、子どもも皆殺しにしていますし、決してただの善人、弱者としては描かれていません。この蜂起は女性たちには内緒で計画されたのですが、その惨い現場にいたセデックの女性は「なぜこんなことを」と慟哭します。

戦争とは、民族の争いとはこういうものだと、淡々と見せてくれた映画です。

散々彼らを脳みその無い野蛮人のように罵ってたおっさん(日本軍の偉い人)が、彼らの戦いぶり、死に様に「侍」の姿を見るのですが、誇りを護るために戦って死にたい、投降するぐらいなら死を選ぶという潔い彼らの精神をやはり一番理解出来るのは我々日本人のような気がします。仲良く出来たなら、この上ない友になれたと思うのですが。

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