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私はラブ・リーガル ★逆行41

huluのCMが面白そうだったので見てみました。まだシーズン3の途中なのですが、とても面白いです。

スタイル抜群一流モデル志望の(頭は悪い。……いやかなり良いようにも思えるのですが、要するに男と美容のことしか興味がなく、全く勉強して来なかった)デビーは、ある日携帯片手のながら運転中に事故死。同じ頃敏腕弁護士のジェーンは、銃を片手に乗り込んできたボスの彼女──実は既婚者だった──の夫に撃たれて意識不明の重体に。

死者を天国か地獄かへ振り分ける審査を行っているあの世のお役所へ着いたデビーは、どちらかへ振り分けられるほど善いことも悪いこともしていない薄っぺらな人間と言われたことに腹を立て、役人(天使)のパソコン?のリターンキーを押してしまう。すると意識はジェーンの身体で目覚めることに……。

あらすじはこんな感じ。このジェーン、IQ140以上で天才的に頭が良いと言われていますが、サイズは19号のかなりのおでぶちゃん。(劇中で語られるのですが、アメリカ女性の平均サイズは13号だそう)モデル志望で厳しく自己管理してきたデビーには悪夢でしかないのですが、リターンキーを勝手に押したのは自分、ジェーンとして生きていくしかなく……。

ジェーンの身体に彼女の意識や、彼女自身のことに関する記憶はないのですが、知識は残っており、デビーはそれを華麗に駆使して弁護士として違和感なく生活していきます。

──違和感はアリアリなのですが。ジェーン自身の記憶はなんにもないし。感情はデビーですので依頼人に感情移入しすぎて法廷で泣いてしまったりするし。

けれど、そんなところが魅力になっていて、とにかくこのジェーン、どんどん可愛く見えるようになるんです(*^^*)

そしてラブラブだった恋人のグレイソンが同じ事務所に新人の弁護士として入ってくるのですが、これがまた誠実で良い男で。私は最初、薄っぺらいと言われるデビーの恋人ですので、実は二股かけてたとか、なにがしかのオチがあるのではと思っていたのですが、そういうこともなく、心底死んだデビーを想っている良い奴なのです。そんな誠実なイケメン(だそうだ)弁護士の卵の心をこうまでがっちり掴んでいるデビーは、役人天使が言うほど薄っぺらではなかったんじゃないかな。

何より、唯一事情を話した親友のステイシーがすごい良いのです。同じくモデル志望の、死語で言うアーパーギャル。デビーと同じタイプです。(だからあまり疑わずデビーと似ても似つかない人物の話をころっと信じたとも言える)こういうタイプの女子の「親友同士」っていうの、結構うさんくさいことが多いですが、この二人こそ、真の親友と言っていいと思う。お互いがお互いに、本当に献身的なんですよね。時に踏み込みすぎ立ち入りすぎだと思うので、うらやましいかと問われたらうーん……って感じなんですけど。こんな付き合いの出来るタイプは絶対薄っぺらじゃない。

ジェーンは30代ですが、20代のステイシーときゃっきゃうふふしていると段々同年代のように思えてきちゃいます。無知かも知れないけど、天然でバカっぽいことを言いながら時に鋭く真理を突いてくる、そういう面白さがステイシーやデビーにはあって、グレイソンのような知的なタイプを楽しませ、寛がせていたのかも知れないなあ。

とにかく、見ているとポジティブになれる楽しいドラマです。万人にオススメ!

ただひとつ。Wikiには法廷ドラマってあるけど……確かに裁判シーンは多いけど……それを楽しめるドラマかっていうと┐('~`;)┌ 日本のそういうドラマに比べると非常にぬるい。ぬるいっていうか甘いっていうか……なんか日本じゃ考えられない光景なので……。丁々発止、手に汗握るってことはないですね。これはそこを楽しむドラマじゃないと思う。

 

続きに逆行の続き。非常に短いので、サイト収納時には話数に修正入ります。

そしてすでに最初から書き直したい病~(´д`|||)

 

 

 

 

 ケセドニアに船が到着すると、一行はまっすぐにキムラスカ領事館へ向かった。ケセドニアが初めてのアンヌとティアは、道々に並ぶ珍しい品々を扱う店に脚が止まりがちで、自由時間になったらすぐにも買い物に来ようと話し合っている。
 同じくおのぼりさんであるミュウもはしゃいで跳ね回る。そのようすをアッシュが優しく嗜めているのを、ルークはじっと見つめた。前回とはあまりに違う光景にも、すでに違和感は感じない。夢の出来事が自分自身の過去として受け入れられた時に、反って時間の流れを意識出来るようになったのかも知れない。憶えてもいない『ルーク』の死で、時の流れは断裂したはずだったけれど、虫食いだらけではあるものの記憶は上流から下流へ水が流れるように繋がっている。
 ただ……ルーク自身が、それを自分自身の魂の遠い遠い過去の記憶だと、割り切ることができているだけだ。

 

 

 

 

「ルーク様! よくご無事で……!」

 名を告げて旅券を出すと、ほとんど待たされることなく奥から領事がまろび出て来て、涙ぐまんばかりの勢いで奥の応接室へ一行を案内した。

「心配かけてしまってすまない。全権大使は無事発たれただろうか?」
「はい。セシル少将がお護り致しておりますし、心配はないでしょう。全権大使はルーク様のことを随分心配しておられましたが……」
「途中野暮用で姿を眩ましてしまったからな。国に帰ったら、よくよくお詫び申し上げておくよ」
「ぜひそうなさいませ。それからルーク様は傭兵のバダック・オークランドとお親しいとか」
「ああ。あれ、もしかしてここにいるのか、バダック」
「数日前から街に滞在しております。ルーク様がこちらに向かっておられたのをどこで聞き付けたのだか、ここに見えたらしばらくいると伝えて欲しいと」
「了解。じゃ後で会って来よう」

 バダック・オークランドはそこそこ大きな傭兵団をまとめあげている男だ。先代の団長からの指名で長に就いたことからも明らかな通り、実力だけではなく人望にも厚い男だった。
 ここ最近マルクトとの間には冷戦状態が続き、戦働きだけでは団員を養うことが出来ないため、開墾や護衛に人員を派遣したり、自ら隊商となって各地を移動したりと活動は幅広い。

 だが、ルークが彼と面識を持つのは、彼の仕事によってではなかった。

「ルーク、彼と知り合いなのか?」
 比較的名の通った傭兵団を現在率いる男は、その名もそれなりに知られているため、ガイが目を丸くする。
「ああ……うん。屋敷にも一度寄ったことがあるぜ。ガイは……あー、姉上のところに行っていたかもな」
 アッシュは面識があるのかと目で問えば、深く被ったフードの口元を柔らかく綻ばせて首を振った。
「直接の面識はない」
「じゃ、一緒に会いに行こうぜ。紹介する」
「俺も連れていけよ、興味ある」

 アッシュはラルゴがナタリアの婚儀に参加出来なかったことに深い想いがあるようだったから、誘えば来るだろうと思ったが、ガイまでが興味を示した。

 あるいは女性陣の買い物に付き合わされるのを恐れたのかも知れないが、一瞬だけルークは逡巡し、結局は頷いた。バダックたるものが、見知らぬ者の耳がある場所で、迂闊なことを口にするはずがない。

 

 

 

 

 護衛に付くと言い張るティアを一番腕のたつアッシュがいるからと説き伏せて買い物に行かせ、アッシュとガイ、ガイの護衛であるペールの四人で街へ出掛けた。
 バダックの傭兵団は名が売れているうえケセドニアにも良く滞在しているため、市で名を出せば即座に居場所は知れた。

 店先を冷やかしながらぶらぶらと目的地へ向かうと、街を囲む日干しレンガの外壁沿い、椰子の木陰で馬や駱駝を涼ませながら水をやったり手入れをしている人や色とりどりの幕屋が目に入る。

 手前で、馬に飼い葉を与えていた娘が、空になった飼い葉桶を持って立ち上がった。

 鮮やかな水色を基調とした更紗模様の巻きスカートは、むき出しの腰にゆるく巻かれ、飾り帯と革ベルトで止められている。その上にはくすんだ水色の布がホルターネックで胸だけを覆っている。爪に色を乗せた足は裸足だ。

 ルークの育った社会の常識からすれば下着同然と言って良いほど露出の多いものだったが、その凛とした佇まいからか不思議と下品には見えなかった。

 娘が、ルークらに気付いてふと顔を上げた。思いがけないその顔が目に入ったとたん、ルークの顎がガクンと落ちた。

「ルーク!」ルークに気付いて喜色を浮かべた少女は、すんなりとした葦のような肢体を翻して近くに張られた幕屋に駆け込んでいく。「お父ちゃーん! ルークが来たよ!」

 近くで荷物の点検をしていたたくましい女傭兵が、その後ろ姿になんとも微笑ましげな視線を向けた。

「……ルーク、今の、」
「……」
「なんと、ナタリア姫様によく似ておいでの娘御ですなあ」

 ガイの不審げな問いかけにルークは声もなく、ペールがのほほんとのどかな声を上げる。隣に立ちすくんでいたアッシュの肩が一度大きく揺れ、横目で様子を窺うルークの目に、真一文字に上唇で下唇を噛みしめた口許だけが映った。

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