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ウォーム・ボディーズ

ゾンビ男子Rとニンゲン女子ジュリーによるゾンビ・ミーツ・ガール物語。っていうかロミジュリです。名前もRとジュリーだし、あの有名なシーンのオマージュ的シーンもありましたしね。

主人公はゾンビ、名前はR。ゾンビになると知能が著しく低下するのテンプレ通り、Rも人間だったときのことをあれこれ忘れており、名前も「確か、最初はRだった」くらいしか憶えていないのです。

とはいえ、そんなことを考えているのも変わったゾンビということなのか、映画はほとんど彼の語り(ぼやき?)なのですが、最初から「ゾンビの生活も色々大変なんだな……」と彼に感情移入してしまいます。親友もいるし。(最初はちょっと知能を残してしまった主人公の思い込みだと思いましたが……)

ある日、団体で街へ食事に行くのですが、なんとこのR、食料であるところのジュリーが果敢に銃をぶっぱなして応戦している姿にまさかの一目惚れ。おまけにジュリーの彼氏の脳みそを食べてしまったことでその記憶を見てしまい(そういうことができる。脳を食べられた人はゾンビにはなりません)想いが深くなってしまったようです。

なのでRは全力でジュリーを護ることにするのですが……

この二人の出会いが、なんと世界をも変えて行くという壮大なゾンビ映画ラブストーリーです。

以下、超ネタバレ。観る予定の方は後でどうぞ。

「君の彼氏を食ったのは俺だよ」
と、ジュリーの好感度が有る程度高くなったあと、隠しておくことに耐えきれないようにRは告白します。彼氏を食べたゾンビと恋愛が出来るかと言われれば……Rがイケメンというのはちょっと置いておいて(実際しばらく後まで気付かれてなかった模様。一目瞭然なのに)普通は難しいとは思うのですが、父を失った彼氏が変わって行ってしまったことで、少し溝が出来ていたのかな、と思います。(後は絶対吊り橋効果もあるよ、ジュリーには。心臓があってドキドキするんだし)バランス感覚が良くて、Rが生きるために(死んでるけど)人を食べることを哀しくは思っても、非難はしませんでした。徐々に食べられなくなってたようですが……。取っておいて大事に食べてた彼氏の脳を吐き出したのは、決して彼の記憶に当てられたからだけではないと思います。

通常のゾンビ映画は当然未感染の人間が主人公になり、ゾンビは単純に「敵」なわけですが、主人公がゾンビになるとその辺りのことにもどこか悲哀が漂うんですよね。とはいえ、コメディとまでは言えないものの、基本は明るい映画ですからあまり深刻には悩んでないのですけど。グロに慣れない人でもこのくらいの食人描写なら多分大丈夫なのではないでしょうか。最初だけだし。

最初に追われて二人が走って逃げる所、時々光と影のバランスによってシルエットになるのですが、普通に走っているジュリーの横でRがゾンビ走りになってるのがかなり笑えました。ジュリーがRの血だか体液だかで人間臭を隠し、ゾンビのふりをして危機を逃れる所などもジュリーが可愛くてくすっとしてしまいました。

二人の距離が近づいていって、ジュリーが心細さにRと手を繋いだのを見た時、他のゾンビたちにも変化が起こります。はっきりとハッピーエンドですので、鬱っぽいの嫌だな、という方にもおすすめ。私は手元に置いておいてもいいかな、とちょっと思ってます。

「魔女と呼ばれた少女」(そのうち感想書きたいです)「フローズン・グラウンド」(実話だし、感想はいいかな。のらくら言い逃れるハンセンの上唇がキモ憎々しかった。役者さん、すまぬ)を続けて観た後だったので、余計に爽やかな映画に思えます。最初は敵対していたゾンビと人間、深読みしようと思えばかなりメッセージ性も感じ取ることが出来ると思いますが、この映画はそんなことを考えず、素直に二人の恋の応援をしたい。美男美女だし!

話は変わりますが、the HIATUSの新譜、私的キラーチューン無しです。何度か聞いてみたけど、ちっとも頭に残らない。残念。完成度は3rd、好きなのは1st、2ndで4thは最下位だな〜>< 音楽性が違うから比べるものじゃないけど、エルレ繋がりならナッシングスに軍配があがる。圧倒的に。

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料理、読んだ本、見た映画、日々のあれこれにお礼の言葉。時々パラレルSSを投下したりも。

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