乙嫁語り3巻
面白かったけど、いつものごとく感情移入しすぎてもにょりました。
他国の習慣を責めてはいけないというのは承知の上で、やっぱり嫌悪感がありました。もしかしたら、まだ中学生くらいの多感な時期に王昭君の悲劇を知ってしまったせいかも知れません。あの時期に抱いた嫌悪感は、もう一生変わることはないのかと思うほどずっと引きずっていくものですね。――私だけかも知れないですけど。
呼韓邪単于と王昭君の結婚に関しては、王道ファンタジー的な妄想で長く楽しめました。これだけ長いこと楽しめる(妄想で)歴史上の人物はあとはスパルタクスと霍去病くらいです。
書く事があるかどうかわからないオリジナルの物語の中には、今でもこの二人がモデルのキャラクターがいます。だけど、単于が亡くなったあとの彼女の人生に関しては今でもなんというか複雑なものがあります。ン十年前ほど強烈な嫌悪感を感じないのは、もしかしたらその後の夫の方がいい男(容姿という意味ではなく。ましてや若いからという意味でもなく!)だったかもしれないじゃん! と思える心のゆとり? が年のせいで出たからかもしれないです。
敬愛する中島敦先生の李陵然り、浜たかや先生の太陽の牙(ファンタジーですが舞台モデルが多分モンゴルとかあっち)然り、大好きな本には騎馬民族が多く登場するので、多分あちらに私は、とても憧れを抱いてるんだろうと思うんですが、地についた生活を殊更細かく描かれる乙嫁語りのようなものを読んでしまうと、わあ、私には絶対絶対無理な生活だと改めて思うのです。