芙蓉鎮という映画
「芙蓉鎮」という中国映画があります。高校生のころ友達から「面白いらしい」と聞いたんですが、そのころはもう公開が終わってしばらく経ってしまっていて、結局レンタルビデオ屋(文字通りVHSはベータしかなかった時代だ)に入荷してから観たのですが、今でもMY BEST 5を滑り落ちることがない映画です。
ヒロインは胡玉音(フー・ユーイン)という女性、夫の桂桂(クイクイ)と共に米豆腐屋を営んでいます。美人で、気が強く、働き者。反対に夫は穏やかで気が弱く素朴な感じで完全に尻に敷かれてる感じです。二人はよく働くし、その米豆腐が評判になるほど美味しいらしく、頑張った分たくさん稼いで家を新築するんですが、それが党から「新ブルジョワ分子」として目をつけられることになります。玉音は親戚の家に避難させられるのですが、戻って来たら夫は殺されていました。(玉音のことでなにか言われ、党員に掴み掛かったか殺そうとしたかだったような気がする)時は文化大革命の直前なんですね。
映画はその文化大革命のまっただ中、粛正の嵐が吹き荒れる中、知識階級だったために道路掃除夫にさせられ、皆に蔑まれていたヒーロー秦書田(チン・シューティエン? チンって聞こえたけどシンかも)と少しずつ心を通わせていき、ついには恋愛関係になって紆余曲折ありながらも夫婦になるのですが、その結婚がまた党員の不興を買い(うろ覚えなんですが、元々その党員♀は、美人で人気者の玉音を良く思っていなかったうえ、結婚前に身籠ったのが気に入らなかったような)書田は10年の強制労働に行くことになります。引き裂かれ、泣き叫ぶ玉音に書田が「牛馬になっても、豚になっても生き抜け!」(科白違うかも。でもこんな)絶叫するシーンは涙無しでは観られません。(だいぶ端折りましたので、詳しくはwikiなどご覧下さい)元夫の桂桂は、どちらかといえば玉音が引っ張っていくような感じでしたが、頭が良く頼りがいのある書田には玉音も素直に甘えたりできていただけにこのシーンは絶望感が胸に迫ったんですよね。
なんだかんだ複雑な背景のある映画ですが、結局のところ、その絶望的な状況の中でも愛を育み、貫き通した二人の、壮大な愛のドラマなのです。
おおいにおすすめしたいのですが、レンタルショップからも姿が消えて久しく、なかなか観られません。シブツタにはあるのわかってるので、いよいよ手に入らなければレンタルに行くかも……
何で今ごろその話題かと言うと、米豆腐からです!
最初、玉音たちが丁寧に石臼でお米を挽いて、米豆腐をつくるシーンがでるのですが、それがなんとも美味しそうで! 食べられるところはないのかと調べても全然ヒットしない。ずっと憧れの食べ物なんです。今バイト先に中国からの留学生がいて、レシピ知らないかなーと思って聞いてみたら、それは中国南部の一部の地域だけで作ってるもので、彼の出身はまさにそこだったらしく、日本人の私の口から「米豆腐」が出たことがすごく嬉しかったらしく、満面の笑顔になりました。「米豆腐は美味しい!」と言う。大好物なんですって。
皆聞いてて、「中華街とか行けば食べられるんじゃないの」と言うんですがだとしたら検索で引っかかってくるだろうし、留学生のTさんの意見も、中国人でも知らない人がいるものだから、食べられないんじゃないかと言います。「芙蓉鎮」に出て来るんだから、知らない人なんかいないでしょうと言うと、今中国では、文化大革命に関する書籍や映画は観られないんですって……!
私、本当に仰天しました。いや、他国の政策などどうでもいいのですが、あの名作を若い人は観られないんだってことが信じられないです。それで再販しないのかなー……今密林で29,000円です。ちょっと前、8,000円台まで落ちたので(大体一万円越え)もしかして再販の動きがあるから値が落ちて来たのかなと逡巡していたら、二三日してすぐ売れてしまってました><
ああ、観たい……
話は変わりますが、レスは不要とコメント下さった方へ返信というか。
まずは「晴れた〜」を気に入って下さり、ありがとうございます!
実は、私的にはそのつもりで少しずつ話を練っているんですが、どう考えても俺得でしかないお話なんです。ルークが記憶を取り戻す&周囲がその女性をルークと認識する、そのシチュエーションだけは決めているんですがもうそれは最後の最後です。ほんと、正体わかった!→そのままEDという勢いなくらい最後です。なので、読んでる方にはルーク不在のまま話が進んで行き、出て来たと思ったらそのまま終わる、って感じになります。ルークには記憶がないので、独白もありません。出て来るのは仲間内とは全然関係ない男性と恋愛関係にあるふつーの女の子(一般的なレプリカでちょい感情に乏しい)だけですが、それでも良いのでしょうか?
晴れた〜の時も思ったのですが、ちゃんと女の子として頑張るにょたものなどあんまり需要がないと思ってました。なので好きって言っていただけると嬉しい反面「ほんとに?ほんとに?」って気にもなっちゃうっていうか……チキンですみません……
もしもよろしければ、そんな話を読んでみたいとおっしゃってくださったあなたにぜひ、あの設定でどんな話を想像されたか(こういう話だったらいいのにな、ともし思われたとしたら)お尋ねしてみたい気がします。