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2013年05月29日

黄金のたてがみを抱きしめて&パッション

読了。

「黄金のたてがみ〜」はシェリー・ローレンストンのシェイプシフターもの三冊目。一冊目には二作入っていたので四作目になります。その二作目のヒーロー、ブレンダンの異母弟ミッチと、二冊目のヒーロー、スミッティの妹シシー・メイのお話。なので今回もライオン×狼の異種恋愛になります。

珍しく後に読んだ後書きに書いてあったんですが、「プライド・シリーズ」というシリーズ名のようです。ってことは主にライオンシフターがメインのストーリーなのかな。ブレンダンの双子の妹マリッサと、ミッチの同母妹グウェン(父は違うので、ブレンダンとは血の繋がりがない)が残ってますもんね。

さて、ここまで読んで来てシシー・メイがかなり癖のある奇矯な人物であることはわかっていたんですが、うーん。むしろ実は驚きの料理の天才だったりしてびっくり。多分お父さんがアルファをやってるパックの皆さんが住んでいるスミスタウンに問題がありそうな。というか、スミス一族まじ怖い。

刑事のミッチは潜入捜査の折り、マフィアのボスの殺人を目撃したため裁判で証言することになったので、多額の賞金をかけられて命を狙われています。そのため兄弟や友人たちとも距離を取ってて、シシー・メイのことをにくからず想っているのに友人の位置に甘んじている。そんなある日、シシー・メイといるときに狙撃され、シシー・メイの判断で雇われた殺し屋がミッチの潜伏先として候補にあげないだろう故郷のスミスタウンで養生することになりました。

このスミスタウン、なんと名の通り住人のほとんどがウルフシフター、スミッティの父親がアルファのパックの住処だったりする。両親はスミッティの結婚式に出席した後そのまま旅行に出かけて留守なので、シシー・メイの実家で二人暮らしが始まるんですが……。

なんというか、もうシリアスなんだかコメディなんだか。ミッチは賞金かけられてるので、証言した後は証人保護プログラムに入り、二度とシシー・メイと会えない、という重苦しい設定が根底にあるのですが、シシー・メイのみならず彼女の兄たち、叔母たち、ブレンダンとロニー、あらゆる個性とアクの強い人々が好き勝手に動くのでもうすごいことに。一方でミッチの実母が息子を救うため暗躍し──いや、暗躍じゃないかも。堂々としてるかも──スミッティとジェシー・アンは共にパックで生活していたため新婚旅行先で二人きりで過ごすことに早々に飽きて来ている。

はっきりいうと、ブレンダンとミッチの兄弟はものすごく不憫でした。メイスもそうだし、(スミッティだってそうじゃないとは言えないんですが、ジェシー・アンはスミッティを立ててるような気がする)このシリーズのヒーローは爆走するヒロインのあとをはらはら、おろおろしながら追いかけるような役割であるのかも。いやもう、なんというか、不憫でした……。ロマンス小説でヒーローにこんなこと思ったことないんだけど。

当然ハッピーエンドですが、この三名にはほんとうにそのヒロインでいいのか、もう一回考え直せと言いたい(笑)だって確実に寿命を縮めてるような気がするし。

でもとにかく面白かったです。どのカップルも凸凹(A型夫にB型妻みたいな)で、普段はそういうカップルが好きなのですが、なぜか今回は凸凹感が若干少ないスミッティ×ジェシー・アンが一番可愛いと思いました。このシリーズは手元に置いておいてもいいかなあ。ロマンス小説のシリーズ物は、邦訳企画が途中で頓挫することもあって油断できないんですが。

「パッション」はおすすめありがとうございました! ヒーローの母、その婚約者(ヒロインに非ず)の母、二人の母親'sと煮え切らないヒーローに苛々しながら読みましたが^^; 面白かったです。

あわや大事故に巻き込まれ、というところをヒーローに助けられ、超劇的な吊り橋効果もおそらくはたっぷりとスパイスになって、H/Hは万博の水晶宮で性急に抱き合ったりしたあと、これでもかのエロシーンが前半はたっぷりあったんですが、どうやらこの小説はそこが良いか悪いか、まっぷたつに評価が分かれる作品のようです。過激描写が話題になったそうですが、BL慣れした人ならこんなの過激のうちに全然はいらない……っ><

あらすじだけみるとほんとに唐突感のあるセックス描写ですけど、読むと意外にそうでもない。この流れならそうなっても違和感があんまりないなーと思いました。もしかしたら大けがしてたかも、死んでたかも! というような時には興奮状態になってて、案外今なら何でも出来ると気が大きくなっててもおかしくないし。

ただ、ヒーローがヒロインの部屋に初めてやって来て以降のシーンには、ちょっと激痛を思い出させる単語が入ってたのですべて飛ばしました。(ぶっちゃけこういう小説で二次元エロは勘弁>< おかしな妄想はなしにして欲しい)ストーリーの展開が面白いのであり、エロはそれほど重要ではないという判断ですが多分大丈夫だろう、うん。水晶宮Hまでは良いのではないでしょうか。

最後は私的には大満足です。ヒーローは途中身勝手なことを言うのでかなり苛々させられましたが、そんな身勝手なことを言わなければならないほど追いつめられていたし、ヒロインを想う気持ちだけは疑いようがなかったので、終わりよければすべてよしというか、だからといって嫌いになったりとかはありませんでした。

ヒロインの二人の妹も可愛くて性格もすごく良さそう。駆け寄りながらベソをかくヒロインに萌え。ペイシェンスは同じく性格がすごくいいのに女見る目のないヒーロー弟(人のことはよく見てるのに、なんで自分のほうの問題に気付かない>< これが恋愛フィルター?!)とどうやら……vなので、次作続編がすごく気になるんですが……。妹二人と、今回のヒーローの婚約者とで計四部作の出版が決まっているのになんか長いことごたついて出版されなかったようで。妹がヒロインのが2010年に出版されてるようだけど、邦訳版はなしなのかな。

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料理、読んだ本、見た映画、日々のあれこれにお礼の言葉。時々パラレルSSを投下したりも。

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