Entry

2012年06月23日

ブルガリアンヴォイス

図書館で『薬草』のキーワードで検索をかけたら『氷の海のガレオン』という本が出てきました。タイトルだけでは薬草とどう繋がりがあるのかわからなかったんですが、なんとなく氷の塊に閉じ込められた巨大なガレオン船を想像して、面白そうなので借りました。

内容は……いわゆる思春期のころの、孤独であるとか、変わっていると言われる自分大好き、つるまないのがカッコいい、他人がみんな馬鹿に見える、あの傲慢で無知な時代のお話です。
3話収録されていて、3話めのタイトルに『薬草』がついたのが検索にかかった理由でした。
感想は……うーん。一気に読めたので面白くないとは言えませんがなんというかアイタタタ……っていう。主人公だけでなく、取り巻く家族の設定なども、全くと言っていいほど性に合いませんでした。

友人も尊敬する教師も出来ず、関わりたくないのに助けを求めてすがりついてくるいじめられっ子、苦痛の多い学校生活の中でついに『親友』になれそうな人物が現れます。音楽教師なのですが、主人公がこの先生出来る! と思った理由の一つにブルガリアンヴォイスを授業で流した、というのがありました。

20年くらい前に、NHKの番組で「アフガン侵攻」というタイトルのものが放映されたんですが、そのエンディングロールで奇妙に耳に残る歌が流れました。(番組内容の悲劇性をさらに盛り上げた)食い入るようにエンディングロールを見てたんですが、誰の、なんという曲かわかりませんでした。
今ならどのような手でも調べが付くので逆にすぐ調べますが、そのときは「これなんだろう」と気になりつつ流したんですよね。

「コーランの暗誦かなにかか?と思うような、祈りの抑揚をもった中近東っぽい歌」
「女声でアカペラだった」
「『アフガン侵攻』のエンディングで流れた」

という私の印象&思い込みだけで学友や友人にも尋ねていたんですが、友人の劇団員の先輩という人が『ブルガリアンヴォイス』ではないかとCDを貸して下さったんですね。収録曲の中の「トラキア平原から」ではないかと。彼は、上二つのイメージで思いつかれたのだそうで、NHKの番組は観ておられません。

──正直なところ、今でもそれで間違いないのか確信が持てないでいるのですが、素晴らしい出会いであったことは確かです。(ブルガリアは長いことオスマン・トルコの支配地だったから、中近東っぽい、と思った印象もあながち外れてはいなかった?)速攻で同じものを買いに走りましたし、その後も数枚購入しました。
今はその最初の一枚しか所持していません。(どれを聞いても、最初の一枚ほどインパクトを感じなかった)
これ一枚を何度聞いても聞き足りませんでした。いろいろなジャンルのものを聞いていますが、この一枚ほど衝撃を受けたものは今もないと言えます。

アメリカの大学生にこれを聞かせたところ、中でも一人の女生徒が、それから三日間はショックから立ち上がれずに、食事してても、授業に出ても、道を歩いている時でさえその合唱が耳から離れず、夢遊病患者のようにすごした、とライナーにあったんですが、
深く納得がいきます。

自信を持っておすすめ出来るのは今のところ「Le Mystere des」っていう、ジャケットが水色で、白い靴がぼんやり描いてあるアルバムだけなんですけど、思い出して今日一日聴いていました。(しかし創作には向かない……)
もしも、このアルバムが好きならこれも鉄板だ! というアルバムをご存知の方がおられましたら、聴いてみたいので、教えて下さると嬉しいです。

Pagination

  • Newer
  • Older
  • Page
  • 1

Utility

Calendar

05 2012.06 07
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

About

料理、読んだ本、見た映画、日々のあれこれにお礼の言葉。時々パラレルSSを投下したりも。

Entry Search

Page