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パラレルAL 23話

明日は結婚記念日なんですが、月曜なので、今日、ビーナスフォートに契約更新(冗談です)の指輪を買いに行って、食事をしてきました。まともな結婚指輪を買わずに、結婚記念日(おつきあい開始日でもある)ごとにペアリングを買い替えてるのです。今はそれなりに楽しんでるけど、切っ掛けは走り屋だった主人が給料もボーナスも一切合切を車の改造とガソリンにつぎ込んでいたからですヽ(`Д´#)ノ
しゅんとしている主人に私は親切ぶって「ずっと同じのじゃ飽きちゃうし」と優しくペアリング買い替えを提案したのですが、今となっては真っ当な結婚指輪を買った方が安くついたのでは……という統計金額になっており、主人は友人から「それ絶対奥さんに騙されてるよ!!」と言われたそうですよ?annoyannoy

昨年もリングを買った「the KISS」がかわいくて一番候補だったんですが、行ってみるとワンピとのコラボリングがありまして(イメージカラーの小さい石が付いててかわいいheart04)好きなキャラクターのを買ってもまあ……同じデザインなので「ペア」の扱いでいいのでは、となったのですが、主人はフ/ラ/ン/キ/ー(リングはなくて、ペンダントだけ)というし私はゾ/ロで、結局フ/ラ/ン/キ/ーのリングはないので流れたのですが、フ/ラ/ン/キ/ー×ゾ/ロを想像してしまい、大変微妙な気分になりました。

以下、パラレルです。
高野さん、今後の展開的に、返答に困るようなコメントありがとうございます……><

 アッシュは偶然見つかったその箇所を執拗に抉り続けた。絶頂感が続いているのにイクことができないまま、もうイかせてと哀願する唇はその都度呼吸すらままならないままにアッシュの唇に塞がれる。のたうつルークを押さえつけ、少しずつアッシュは動きを深く、大きくしていって、両方の乳首を転がし、擦り合わせ、汗と共に啜ってルークを虐め、更なる高みへと押し上げていった。自分で慰めようとだらだら雫を垂らしているペニスに手を伸ばすと、すんでのところで手を捕らえられる。
「ああああっやだぁ、やだ、なんでっ? 信じらんない、も、だめ、もうむり……っ!」
 気持ちが良すぎて、気が変になりそうだった。イカせてくれればすぐに楽になれるのに……。
 過ぎる快感は容易く苦痛に変わり、ルークは半ば本気で止めてくれと泣き叫んだが、宣言通りアッシュは止める気がないようで、短い呼吸を繰り返しながら目を固く閉じて、ルークの一番感じるところを擦り上げながらも己の快感を追っている。

「あっ、あっ、あああっ、だ、だ・め、もうダメ、アッシュ、ああっ、もうイカせて! イカせて……!」
「……もう、無理か? ああ……も、イっていい……」
「あ、あ、あっ、ムリ、む、り……っ! ど、やって……?!」
 イキたいのにイケない、強い絶頂感のほんの一歩前のところで決定的な何かが足りずのたうち回るルークの昂りを揺すり上げながらアッシュが掴み、強く擦り上げる。「ほら……イキな……」
「ひっ、ひ、っあっ、やあああああぁああっ」

 ようやく与えられた刺激に、自慰では決して得られることの出来ない、強く激しい絶頂が訪れ、ルークはアッシュの腹を勢い良く吹き上げた白濁で濡らしながら仰け反った。
「く……っ、あああっ!」
 やや遅れて、一際動きを大きく早めたアッシュが、声を上げると同時にルークの尻朶を痛いほど掴んで引きよせ、ルークの胎内の深いところに二度目の欲望を吐き出す。
 ようやく迎えたあまりに長く激しい絶頂に、目を見開いたままがくがくと痙攣し続けるルークを、アッシュが荒い息を整えながら強く抱き寄せ、二人一緒に横に転がった。激しいアッシュの鼓動を直接感じている耳に、「すげえ……よかった……」とアッシュのかすれた囁きが落とされ、ルークはほっとして笑みを浮かべる。
 良かった……。うん、アッシュ。──おれも。おれも、すごく……

 気持ちよく乾いて花の甘い香りのする、温かい風が吹いている。空は真っ青で雲一つないが、不思議と眩しさや焼けるような暑さは感じない。右を向いても左を向いても、地平線の彼方まで色とりどりの花が地面を覆っていて、優しい風に花びらを舞い上がらせていた。時折、真っ白な鳥の羽が混じるのは、花畑の間に小鳥が巣でも作っているからだろうか。

 いつか、鳥のように羽を得て、行ってみたいと夢想した場所は、こんな場所ではなかったか。
 ルークは嬉しくなって、大声を上げながら駆け回った。──自由だ! おれは、こんなにも自由だ、自由だ!

 遠くに大きく枝を広げた一本の木が立っていて、そこに大小二つの人影を見つけ、ルークは足を止めた。誰だろう? すると大きな人影がルークに向かって手招きするように手を振った。ここだよ、というように。初めは恐る恐る近づいていた足が、その人物を視認するやいなや早くなり、最後は全力疾走になった。
「父上! 父上──っ!!」
 追い越すどころか並ぶことすら出来なかった丈高くがっしりした父に、ルークはまっしぐらに駆け寄り、勢いも殺さず子どものように飛びついた。ずっとずっとそうだったように、父は一、二歩後退させられるが全く危なげなく、笑顔で息子の身体を受け止める。
「父上、申し訳ありません。おれ、肝心なときに父上のお側にいられなくて……お一人で逝かせてしまって、ごめんなさい。お会いしたかった……!」
 宥めるように背を撫でられて、ルークは泣いた。「おれがお側にいたら、きっとご一緒したのに……!」
「良い、良い、ルーク。もう泣くな。王妃が驚いている」
「おうひ?」
 ルークは泣き濡れた顔を上げ、父の側に寄り添う美しい貴婦人を見つめた。ルークによく似た、だが数段柔らかな、女性らしい顔。口元を両手で隠し、ルークを見て同じように涙をこぼしている。憶えていないと思っていた遠い面影が蘇った。
「は……ははうえ、ですか……?」
 触れたら消えるのではないかと恐る恐る手を伸ばすと、小さく、温かな手がルークの手を取った。「わたくしの、小さなルーク」

 わたくしの宝物。小さなルーク。愛しい坊や。

 そう呼ばれていた記憶、手を繫いで迷路を歩いた記憶、優しい子守唄の記憶が花の香りと共に流れ込んでくる。
「母上……ずっとこちらで、父上を待っておいでだったのですか」
 父と母が顔を見合わせ、微笑み合う。
「それでは、父上はもう……お寂しくないのですね?」
 柔らかく頷く父にルークはぱあっと満面の笑みを浮かべ、勢い込んで訴えた。「おれっ……おれのことも、待っていて下さいませんか?! おれも、すぐにこちらに参りますから!」

 二人はまた微笑んだ。小さな母が、今は大きくなった息子を抱きしめ、その二人を父の大きな腕が抱きしめる。死ぬのが怖いとは元より思っていなかったつもりだ。だが、ほんのちょぴりそれを恐れる気持ちがあったとしても、今日、このときまでの話だった。ここで、父と母がおれを待っていてくれる。ならば怖がることなど何一つない。微笑んで来るべきその瞬間に備えよう……。

 ──ああ、温かい……。

 視界は涙の幕でぼやけていた。一瞬、自分がどこにいるのかわからず、驚いて目をしばたたかせると、すうっと涙が伝い落ちていき、白く輝く河原や、川面に揺れる月の光や、ところどころに靄をかけている湯気などを映した。
 温かいのは父母の腕ではなく、背後からルークを抱きくるむアッシュの身体だった。ルークにだけシャツを羽織らせて、自分は素っ裸のまま、ルークの腹のところで指を組むように抱きしめている。こみ上げる喜びと愛しさで胸をいっぱいに満たしながら、ルークはアッシュの手を優しく解きほぐし、起こさないよう気をつけて立ち上がった。
「アッシュ……風邪引くよ……」
 羽織らされていたシャツをアッシュにかけてやり、ルークはよろよろ起きあがった。大小様々な石に覆われた川岸をバランスを取りながら歩いていると、アッシュを受け入れたところから、放たれたものがとろとろと流れ出ていった。このまますべて流れ落ちていって、何事もなかったように元に戻るのが、少し寂しかった。
 少し川上に行くと、少し深くなっている場所があって、快適な温度とはとても言えないぬるさだが、熱い湯が混じってかろうじてお湯と呼んでもいい温度になっているところがあった。そこに胸まで入って、下肢を洗い流す。後ろに身体を捻るようにしてぬるついた蕾に触れると、ひどく胸がドキドキした。ついさっきまでここにアッシュの大きな昂りを受け入れていたとは到底信じられない。こんなところにあんなものが入るなんて──。しかも、あんな風に人を浅ましく変貌させるほど気持ちがいいなんて。

 ぬるつきをすべて洗い流し、小さな岩の上に腰を下ろして目を閉じた。穴に落ちてから大変だったけれど、いいこともあった。アッシュの言う通り硫黄の臭気がする──ルークはもう鼻が麻痺してあまりわからないが──この場所には、魔物も獣も近寄らなかった。ここに出ることがなければ、決してこんな機会はなかったはずだ。

 自分が生きているのか死んでいるのか、わからないと感じることもあった。大人の男になって、似ていると言われる母の容姿から変わり果てたものになり、弟のように父に遠ざけられてしまったらと怯え続けていた。女に間違えられても、小さいと言われても、全く腹が立たないのは、結局己自身でそれを望んだからだ。父とルークの関係は普通の父と息子というには多少歪だったかもしれないが、互いが互いに、そのありようを歪めていたのだから、ルークの人生がこのようになったところで責めを負うべき何者も存在しない。だが、人生も終わりに差しかかって停滞から脱することができ、ルークは自分がほんの少しだけ成長できたようにも感じていた。
 自分には縁のないものと思っていた、最初で最後の恋をした──あまり自信がないけれど、多分恋で間違いないはずだ。アッシュ、と名を呟くだけで心が温かくなり、身体の芯からこみ上げる情動に狂おしいほど身体が熱くなる。触れたくて、体中に触れて欲しくてたまらなくなる。自国のために命をかけて戦った、誇り高い兵士の遺体から平気で服をはぎ取るような、冷たく凝った心しか持たないと思っていたのに……。それから……。それから……。
 最後に囁かれたアッシュの賛辞を思い出すとかっと身体が熱くなり、喜びと面映さに気が狂いそうになった。将来を誓い合うような特別な人とだけ、アッシュは愛を交わしたかったんだと思うのに、ルークの懇願にそれを曲げてくれて、それだけでも嬉しかったのに。馬鹿げたルークの言い草で、きっと慣れていると思っていたはずなのに、傷つけないように優しく抱いてくれた。この世に、こんなにも素晴らしいことがあったのかと思うような……そんな体験だった。

 もう、思い残すことは何もない。
 笑みを浮かべて、胸元に揺れる小さな指輪をぎゅっと握りしめた。
 いい人生だったと思うことが出来た──ルークは幸せだった。

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