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パラレルAL 22話

R12どころか、18になっちゃいました。
あ、いえ。エロいのではなく、例によって名称ズバリで書いた(多分一カ所だけど)ためなので、内実はR15でいける程度です。
オリジナルのBLサイトさんとか見ていると、皆様雰囲気を損なわない、綺麗でしらけない名称をよく考えつくもんだなあとため息がでます。男並みに即物的な脳みそをしていると良く言われるのですが、そのせいで詩人にはなれないんだ……と馬鹿な言い訳する私も私だと思っていましたが、『男並みに』即物的、という言い方もまた偏見に溢れた失礼な言い草だったのだと今気付きました。敬愛する中原中也先生も、男性でいらっしゃるのに。

以下、パラレル続きです。
アッシュの早◯は許せないという方はご覧になりませんように><b
あっでもこれパラレルだから、ある意味別人なのでした……!

(何も王妃にして欲しい、なんて言ってるんじゃないの。そんな面倒なものごめんよ。──ね? ただ楽しむだけでいいの……)

(殿下、あなたは本当に地上に降りた天使のようだ。今宵一夜だけ、この私の腕の中に堕ちてきては下さいませんか……)

(お願いです、ルーク様……。一晩だけでいいんです、わたしと一緒に過ごしてくれませんか……それで諦めますから……)

 パーティーに出席するたびに耳元で囁かれたどこかの夫人や令嬢、伯爵や公爵子息……一夜の恋をルークに乞うてきたものたちの声が頭の中を渦巻き、澱みながら沈んでゆく。ああ、確かに。一夜限りの関係でも求めたくなる気持ちが、今のルークにはよくわかる。いや、彼らよりもルークの方が必死で、みっともないかも知れない。こんな自分を見たら、彼らはなんと思うだろう?

「責任とか……そんなの取らなくていいよ。おれ……そんなの取ってもらうような、綺麗な身体じゃねーし。一晩限りの恋なんて綺麗な言葉で飾って、名前も憶えてないやつらとセックスしてきたもん、女とも……男とも」
 ルークの浮かべた自嘲まじりの微笑みを見て、アッシュがぎゅっと眉を寄せた。鮮烈な翠の視線が、よりいっそう圧力を増してルークを見据える。
「……わねえ」
「えっ?」
「そういう顔、似合わねえって言ったんだ。そういうのも、お前には似合わねえ。二度とすんな」
「……」
 ルークは驚いてアッシュの顔を見つめた。まるで挑むようような視線の強さに怯み、目を伏せる。
「うん……わかった。もうしない──今日で最後にする。……だから」
 こういう生真面目で融通の利かなそうな男をどう誘えばいいのか、ルークにはまるでわからない。縋るようにアッシュの肩を掴んだ手が小刻みに震え、伏せた目から涙が落ちた。
「今回だけ、譲ってよ……」

 ああ、なんてみっともないのだろう。こんな風に、重たくならないよう誘えれば良かったのに。でもそのやり方をルークは知らない。アッシュは澄み切った水のように清冽で、どこまでも綺麗だ。きっとルークを尻軽で穢らわしいやつだと軽蔑するだろう。──それでも。
「……アッシュが欲しいんだ……」
 激情と欲望が溢れ、涙になって後から後からアッシュの頬を濡らしていく。ルークを引き離そうときつく腕を掴んでいたアッシュの手から、少しずつ力が抜け……。温かく大きな手が、不意に背中を抱き寄せ、胸の上にルークを乗せると、子どもをあやすようにぽんぽんと叩いた。深く、長いため息をついて、アッシュが擦れた声で囁く。
「俺は男、抱いたことねえし……女だって娼婦を二、三回で、あってないようなもんなんだよ。お前にいい思いなんかさせてやれねえぜ?」
「……っ」

 心底困ったようなアッシュの顔は、宵の暗さの中でも、うっすらと赤くなっているのがわかった。釣られたようにルークの顔にも血が上ってきて、今更のように自分の行いが恥ずかしくなり、目を伏せて頷いた。
「それでもいい。……お前が、欲しい……」
 稚拙な懇願の言葉は溶けゆくように小さくなり、涙の雫が落ちて行く。アッシュが苦笑してそれを親指でぬぐい取ると、ルークは反射的にぎゅっと目を閉じた。
「──これまでの相手と比べんじゃねえぞ」
 囁きとともに体勢が入れ替えられ、ルークは平たい岩の上に押し付けられた。

「ん、んぅ……っ」
 互いに探り合うようだった二度のキスとは違う、嵐のような口付けが襲う。アッシュの舌はルークのそれをどこまでも追いかけてきて絡み、口内の奥の奥まで舐め上げて根元から痛いほどに吸い立てた。限界まで開かれた口の中をアッシュは何度も角度を変えて荒しまわる。
 深いキスの一つでルークを翻弄しながら、アッシュは内ももを撫で上げるように両脚を開かせ、その間に身体を滑り込ませた。立ち上がってきたものが、衣服越しにアッシュの鋼のような腹にこすれてますます固くなっていく。吸われて、吸い返し。噛まれては噛み返し。
「……ち、手が震えて、」
 ルークのシャツのボタンを外そうとしたアッシュが、小刻みに震える指をうまく扱えず、焦れて舌打ちをする。結局上の数個を引きちぎり、ルークを引き起こして頭からシャツを抜いた。アッシュのズボンに手をかけるルークの手もアッシュ以上に震えていて、何度も手が滑り、二人が着ていたものをすべて脱ぎ捨てるのにはそれなりに時間がかかった。

 結構鍛えている方だと自負していたのに、アッシュに比べると子どものようにさえ見える己の身体。隠すように身を縮めたルークの身体を、アッシュが再び丁寧に横たえる。舐めるように見つめる視線を感じて、恥ずかしさに目を閉じて視線を遮ると、アッシュの唇が首筋に触れ、鎖骨に触れ、乳首に触れた。思わず身体が跳ね上がる。すっと吸いこまれ、唇の奥で舌先が乳首を転がすと、思わず大きな声が出そうになって慌てて口元を両手で覆った。
「あ、んっ、んん、んっ……」
 感じているとわかったのか、アッシュが舌先であやしながらもう片方の乳首をきゅっと摘まむ。途端に、乳首とは違う場所からも快感が突き抜けて、腹に付くほどに反り返ったものからもとろとろと透明な液が溢れ、こすれているアッシュの腹までもしとどに濡らした。それに気付いたアッシュが、乳首をいじめていた指でその頭を撫でるようにそのぬるついた液体を指に広げていく。
 アッシュが起き上がり、その指が両脚を割って奥のくぼみを探るのを、ルークは体中ぐにゃぐにゃになったままぼんやりと見つめていたが、それがぬるみを塗り付けるように中に入ってくるのを感じた瞬間に身体を強張らせた。反射的に漏れそうになる声を、必死で噛み殺す。アッシュに触れられて嬉しいのに、体内をまさぐられる嫌悪感に肌が泡立った。馴染んできたかと思うと一本、また一本と指を増やされ、そのたび肌は押しのけたくなるほどの嫌悪感に揺れる。アッシュは何かを探るように指を動かしていたが、三本の指が楽に抜き差し出来るようになったころ、諦めたように指を引き抜いた。異物感が引いたことにほっと息を抜いた瞬間、入り口に熱を持ち、先がぬめったものが押し宛てられた。

「………………!!」

 指とは比べ物にならない質量を持ったものがみしみしと身体を引き裂くように入ってくる。激痛に、固く閉じた瞼の裏が真っ赤に染まった。触れたとき、己のものより遥かに大きいと感じ、それなりに覚悟をして、アッシュもちゃんと馴らしてくれたのに……。絶叫しそうになるのを堪えたのは、自分でも上出来だった。たった一言でも苦痛の声を漏らしたら、アッシュはきっと行為を途中で止めてしまう。そんな気がした。

 だがアッシュは、少しだけ入れたところで動きを止めた。痛みをこらえて薄目を開けると、苦痛に顔を歪めたアッシュが、歯を食いしばるように耐えている様子が目に入る。申し訳なさと痛みとで涙があふれ、思わず嗚咽が漏れた。
「痛いか……?」
 自分も苦しいのだろうに、ルークを気遣ってくれるアッシュに、ルークは必死で嗚咽を飲み込み、首を振った。どんなに痛くても辛くても、身体が裂けたっていい。止めないで欲しい。一つになりたいのだ。
 ふっと息をついて、アッシュが痛みのあまりにすっかり萎えてしまったルークのペニスに触れ、上下にすり上げ始めた。先走りで濡れた頭を時折指で可愛がられているうちに、意識がそこに取られ、萎えて縮こまっていたものがまた少しずつ力を取り戻して行く。その頃にはルークの身体がアッシュの大きさに馴染んできたのだろう、痛みは鈍く疼くような違和感に変わっていた。
 先が入ってしまうとあとは少し楽になるようで、アッシュは少しずつ馴染むのを待ちながらじわじわとその昂りを収めていった。内臓がすべて上に押し上がるような圧迫感に思わず呻き、また慌てて口を塞ぐ手に力を込める。
 すべてがルークの体内に収まると、アッシュは絶え入るような吐息を漏らした。前髪や顎の先、鎖骨から汗の雫が滴り落ちる。「……くそ。すぐいっちまいそうだ……」
「……アッシュ、痛くない……?」
「……お前は?」
 ルークは熱に浮かされたように曖昧に首を振った。内臓がせり上がる気持ち悪さはあるけれど、痛みは鈍い。それよりもアッシュと一つになったのだという喜びの方が大きくて、しびれたように震える腕を必死に伸ばして大きな背中に腕を回した。つんと尖った乳首がアッシュの胸にこすれ、思わず息を飲んで腿でアッシュの腰を締め付けると、アッシュがぎゅっと眉を寄せて、目を閉じた。「……悪い。一回出すぞ……?」
「ん、んんっ……」
 アッシュの腰が軽く前後に揺れ、唇を噛み締めるルークの耳に荒く息を吐く声が聞こえた。脱力したように重みがかかり、みっともなく泣いて縋ったのに、自分の身体で感じてくれたという事実が嬉しくて、幸せで、また涙の滲む目元を隠すようにルークはアッシュを抱きしめた。ルークの身体は女の子のように容易くかたちを変える柔らかさを持っていないのに、まるで初めからこのかたちで生まれてきたように、アッシュの厚みのある固い身体に隙間なくぴたりと添うのが不思議でならなかった。だからアッシュが軽く上体を浮かせ、隙間を通る風が流れる汗と身体を醒して行くのを残念に思った。

 だがアッシュが再びルークの唇を吸ったり噛んだりしながらゆるゆると腰を揺らし始め、ルークはすぐに思い違いに気付いた。もう終わったものと思い込んでいたルークは完全に脱力していて、おまけにアッシュが中で放ったものが潤滑剤の役目を果たし、痛みはなくなっている。擦り上げるように奥を突かれ、まだ抜き出されるときに臍の裏をくすぐられているような強い異物感を感じるだけだ。

 風向きが変わったのは、律動に合わせてルークの背や腰が岩肌に擦られているのにアッシュが気付き、片腕をルークの腰に回して軽く浮かせたときだった。
「ああああああっ、あっ、あっ、あっ!!」
 突然身の内を焼き尽くすような衝撃を感じ、ルークはたまらず悲鳴を上げた。蒼白になって口を押さえるルークを、アッシュが観察するようにじっと見下ろし、ゆっくりと体内を探るように腰を回す。
「ん──っ、んっ、んんんんっ!」
 イった、という感覚もないのに、痙攣しながらとろとろと白濁をこぼすルークの昂りを見つめ、アッシュがほっとしたような、優しい笑みを浮かべてルークの頬を撫でる。「──ここがイイんだな? 見つかって良かった」
「や、や、おね、おねがい……止めない、で。痛くない、痛く……ないからっ。止めたら……やだ……っ」
 泣きじゃくるルークをアッシュが困惑したように見下ろし、ふいに胸を突かれたような顔をした。
「……声、出したら、俺が止めるって思ったのか」
 流れる涙はそのままに、両手でしっかり口を塞いでいるルークの手を外させ、キスを落として囁いた。
「止めねえから。声、聞かせてくれよ。痛いとかイイとか言ってくれねえと、よくしてやりようがねえじゃねえか」
「……アッシュ、」
「それに、こんなかわいい顔見たら止められるわけねえっての……!」

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