禍つ日の恐れは、君の光に雲と散りて 09

「船底の子どもたちは?」
「今、ジギーとエリックがマルクト軍と向かった。……本当は、お前の手柄なんだが……」
「ううん、いいんだ。目立ちたくない。……それに、ギルドのお手柄になるんなら、報奨金で臨時ボーナスくらい出るかも知れないね」
「……ちゃっかりしてやがる」ふ、とアッシュは笑みをこぼした。「それよりお前、腹は大丈夫か」
「お腹? あっ、そうだよ、みんなに聞いたの?」
「ああ」
「そっか。実はそうなんだって……。私、早くアッシュに言いたくて。──でも、どうしてこんなに早く? 場合によっては伸びるかも知れないって言ってたのに……」
「悪いが、またすぐに出かけることになる。まだ、仕事が終わったわけじゃねえんだ」
「……そうなの。じゃ寄り道して助けに来てくれたの?」
「必要なかったな」
「そんなことない、嬉しい。……でも、そっか。すぐ出かけちゃうんだ……」
 ルークはがっかりして俯いた。こんな風に中途半端に会えてしまうと、離ればなれになるのが、より寂しい気がしてしまう。
「どうした? もう独り寝が寂しいのか」
 だが、アッシュが喉の奥でくつくつ笑いながら言ってくるのに、意地を張って、
「そんなことないもん。ベッドが広く使えて、すごくゆっくり眠れてるんだから!」
と言えば、
「……そうか? 俺はもう、お前を抱きたくて仕方ねえ」
 耳元で普段よりわざと声を低くして告げられた言葉に、ルークの全身がカッと熱くなる。もちろんルークが虚勢を張っていることを見抜いた上で、からかうためにわざと言っているのだ。でも、それが分かっているのに、まんまと引っかかって赤くなるなんて……!
「あ、そ……その、でもっ! い、今、あんまり、するのよくない……って、いつもみたいに激しいのはダメなんだからね……」
「……」
「……」

「…………へ〜え? ──だ、そうだぜ、奥さん?」
 しどろもどろの言葉がぽろりと出た後で、すぐにルークはまずいことを言ったと気付いたが、零れた言葉はもう拾えない。ぴたりと密着したアッシュの身体が細かく震えて、込み上げる笑いを彼が堪えたのが分かった。見上げるまでもなく、アッシュは今、とても意地の悪い顔をしているのだろう。
 恥ずかしさと悔しさと、そして身体の奥から熱く沸き上がってくるものとでますます真っ赤になって俯き、絶対に顔を見せるものかと言わんばかりにアッシュの胸に額を擦り付けた。

 ──結局のところ、ルークを底意地悪く焦らして楽しんでいるアッシュに、最終的にもっと激しくしろだのもっと奥まで入れろだのと、泣き叫んで要求するのはいつだってルークの方なのだった。でも……!
「でもっ、だって、お前、お前が言わせてんじゃないか……っ! いつもいつも意地悪ばっかして……! 私は悪くないもん……!!」
「ルーク、ルーク」
 恥ずかしさのあまり涙声になってしまったルークの顔を上げさせて、アッシュが苦笑する。
「悪いなんて言ってねえだろ。俺を欲しがって泣いてるお前があんまり可愛いから、つい、苛めたくなっちまうんだよ」
 右腕で膝裏を抱えるように抱き上げ、そう言ってやると、すぐに真っ白でしなやかな腕が首に巻き付いてくる。
「──なんで、可愛いと苛めたくなるんだよ? もう……アッシュなんて大嫌いだ」
 熟れたトマトのように真っ赤で、涙を大きな瞳いっぱいに湛えた、少し困ったようにも見える顔が近づいて来て、コツン、と額を合わせる。
「男はそういうものだろう?」
 そんな顔が愛おしくて愛おしくて、合わさった額や鼻や頬を摺り合わせると、数日間剃れないままでいる無精髭がざらりとあたり、痛みとくすぐったさに、拗ねていたにも関わらずルークが笑い声を立てた。小さな、柔らかい唇がすぐにアッシュのそれに重ねられる。
「……知らない、女だもん……」



 船底に閉じ込められていた子どもたちは、全員無事に救出された。
 劣悪な環境に置かれながらも、幸いなことに命に関わるほど弱っている子どもはおらず、各国の軍が自国の子どもを確認して保護するまでの間、ティアの譜歌である程度は癒すことが出来た。
 ルークは少し離れたところでその様子を見守っていた。身体は癒すことが出来ても、心まではそうはいかない。今回の子どもたちは無事に助けることが出来たけれど、もうすでに売られてしまった子どもは多いはず。その全員を無事助け出すことが、果たして出来るのだろうかと考えると、辛かった。

「ザック、お前は? どこの国の出身なんだ?」
 ザックは、この喧噪の中でも目を覚まさないヤーノを抱きかかえたルークの側に、ぴったりと寄り添って座り込んでいる。
「マルクト人だけど……うちはケセドニアにあった。マルクト側の方に。……でも、母さんは今でも同じところに住んでるのかな……」
「そっか、ずっとお祖母様のところにいたんだよな。母上の名前が分かれば、探せるよ?」
「ほんと?」
「ほんと。偉〜い友達がマルクトにもダアトにもキムラスカにもいるの。お前の母上がどこに引っ越していたって絶対探して、お前を母上に会わせてあげる。約束しただろ? もし母上が引っ越していたら、見付かるまでうちにいるといいよ。ヤーノも懐いたみたいだし、一緒に遊べるよ」
 ザックがいかに頭が良く、行動力がある子どもだったとしても、行方の分からない人間一人をあても無く探すのは難しい。ここまできて住んでいたところに母がいなかったら……と思うと勇んで訪ねることも出来ず、ルークの側を離れることが出来なかったザックは目を輝かせた。
「うん……うん!」

 聞くとはなしに耳に入って来た会話に、アッシュとアリソンは思わず顔を見合わせた。
「『ザック』?」
 アリソンがしゃがみ込んでザックを覗き込み、問いかける。「ザック・クライロ? 誕生日はND2014・ウンディーネリデーカン・ノーム・22の日、お母さんの名前はクレア?」
 目を丸くするザックの横で、ルークがきょとんと瞬きをした。
「……そうなの?」
「うん、……はい、そうです……でも、何故?」
「ビンゴだ!」
 アリソンがザックの両脇に手を入れ、抱き上げてぐるぐると回した──「大手柄だぜ、ルキアちゃん!!」
「──はあ?」
 座り込むルークの横にアッシュが立って、くしゃりと頭を撫でた。
「お前のお陰で、どうやら今回の仕事は無事終えることが出来たみてえだ」
「ザック?」
「ああ。子どもを取り返して欲しいという母親と、その再婚相手の依頼だった。だが探ってみたら子どもは自分で脱出した後でな。痕跡を追ってケセドニアへ戻って来たところだったんだ。──母親は、同じところにずっと一人で住んでいる。子どもを取り返してから、広いところに三人で引っ越すつもりだ」
「そうだったんだ……! 良かった、ザック……。でも、面白い縁だね」
 そうだな、とアッシュは眩しげに目を細めてルークを見下ろした。

 母親に会うために監禁場所を逃げ出した子どもには、自分とは違って助け手があった。それがルークであったことは、奇縁と言えるのかも知れない。
「じゃ、じゃあ、アッシュ。もう仕事、終わり? 今日は一緒にいられる、の?」
 この仕事の最中、複雑な思いを抱えていたアッシュに気付くこともなく、期待半分不安半分で問いかけられたルークのささやかで可愛い望みに、アッシュは我知らず融けるような笑みを浮かべる。

 いや、自分にも助け手はあった。
 切望し続けた「居場所」も定まらぬままに、もう先はないと覚悟を決めていた五年前の日に……。
 その助け手もやはり、ルーク、『聖なる焔の光』なのだった。
 あの日、『ルーク』に会っていなければ、一体今頃自分はどうなっていたのだろう。それなりに如才なく生活しているだろうが、今ほど幸せだと素直に思えていたかどうか……。




「は、初め……まして。俺、エリック。エリック・ワイアー……えっと……」
「初めまして、エリックさん! 座ったままでごめんなさい。いつもうちの人がお世話になっています。気難しくて大変でしょうけど、見捨てないでやって下さいね!」
 ジギーと一緒に通報者として走り回っていたエリックがようやく戻って来て、正面からルークを見、しどろもどろで挨拶を交わすのを、アリソン、ジギーはにやにやと、アッシュは憮然と見つめていた。
「ちょっとどころじゃねーじゃん! すっげ、可愛いじゃん!! お前、そんな顔して、ほんと上手くやりやがったな!」
「言ってる意味が分かんねえんだよ!」
「なんでお前みたいな仏頂面のムッツリ野郎が、こんな可愛い子をものに出来たのかって言ってんだよ! どうやって騙したんだよ、その手口を俺にも教えろよ! ──伝授して下さい、師匠!」
「誰が師匠だ! それに騙してねえよ! むっつりでもねえ!」
「じゃあ赤裸裸にスケベなのかよ?! それが女には受けるってこと?!」
「受けを狙って一緒になったんじゃねえよ!」
 
 およそアッシュらしくない怒鳴り合いに、ルークが目を丸くする。
「アシュレイってこんな喧嘩、するんだ……」
「あーいや、今回始めてあいつと組んでからだぜ。意外に気が合ってるみたいでね」
 おかしげに笑うジギーに、ルークも同意して頷いた。
 普通の少年ならば、こんな他愛ない喧嘩を何度も繰り返して大人になるのだろう。今頃になって、少しずつ子どもからやり直しをしているようなアッシュに、安堵とおかしみを感じルークは笑った。

 事件の締めくくりは、エリックとアッシュによるバカバカしい掛け合いによって、取り敢えず関係者一同を弾けるような笑いの渦に巻き込んで、なんとか長かった一日を終えたのだった。




 疲れで身体がゆらゆらしているにも関わらず、夕べ一晩風呂に入れなかったルークは「どうしてもお風呂に入りたい」と言い張って、なんとか身体までは洗ったのだが、髪を洗っている途中で意識が途絶えがちになり、結局湯船の中から手を伸ばして、アッシュに洗ってもらうはめになった。狭いのに一緒に入らなければならないのは、別々に入ると湯が冷めてしまって勿体ないからである──それだけではないことも、たまにはあるのだけれども。
 狭い湯船の中でアッシュにもたれかかってしまうと、ルークの意識は完全に飛んだ。次に意識が浮かび上がったのは、すでにベッドに入ってからだった。アッシュが風呂から上げて、身体を拭き、ナイトドレスを着せてくれたようで、いつも着ている洗いざらしの木綿のドレスが、素肌にさらりと心地よかった。
 アッシュはルークの胸ではなく、珍しく腹に顔を押し付けるようにルークを抱え込んでいる。
「……無事でいるか。……あのとき、お前には会えなかったから、初めましてになるな……」
 何か腹の子に話しかけているようだったが、半分意識がない状態のルークには、良く聞き取れなかった。ただ、アッシュのそんな姿が珍しく、ちゃんと喜んでくれたみたいで良かった……と、ルークは口元を綻ばせたのだった。




 ルークが巻き込まれたこの事件は、大型商船を偽装しての大掛かりなものだったため、各国で大騒ぎになったが、ルークの帰還を隠しておきたいジェイドの手回しでダアトではフローリアン、キムラスカではナタリアが上手く処理してくれたらしく、秘密裏に事情聴取をされるだけでルークは表舞台に立たずに済んだ──首謀者を倒して逮捕に繋げたのはルークだったので、本当はそんなわけにも行かなかったのだろうが……。
 キムラスカでは、ファブレ公爵の総領が行儀見習いに預かったレプリカの娘と駆け落ちして勘当され、市井にあるのはおおっぴらに知られてしまっているのだが、表に出たくないのはアッシュも同じだから、通報者はアッシュの所属するギルドということになり、隊長と呼ばれるギルドマスターがどうやら上手く処理をしてくれたようだった。自分の名前で通報していれば丸々貰えたはずの報奨金の一部を、臨時ボーナスに貰って大喜びしているルークには、もちろんそんなことよりもひっそりと穏やかに暮らすことの方が大切だ。




「さて、出来た」
 丸二日手をつけられなかったので、ほんのちょっぴり焦りのあったオーダーの婚礼衣装が納期を一日残して仕上がったので、ルークはほっとしてアッシュを仰いだ。
アッシュは相変わらずソファに伸び切って、肘掛けからはみ出した足を軽く組んで本を読んでいる。
「ね、どうかな?」
 自分が着るわけではないのだが、前に合わせて見せると、アッシュは「ああ」とだけ言ったのだが、目を細めて見つめているところを見ると、無関心なわけではないらしい。
 その反応に満足して、皺にならないようハンガーに掛けて、上から埃避けの専用のカヴァーをかけた。
「お茶でも淹れようか?」
「いや……」
 ちょうど読み終えたらしい本を置いて、視線でルークを追っているアッシュに問えば、いらないと首を振り、代わりに「おいで」というような身振りをしたので、ルークは笑ってアッシュの腕の中に納まった。顔中にキスを振らせると、アッシュはくすぐったそうに笑んで、首筋から大きな手を差し入れて、長い指で髪を梳いてくれる。心地よさに、喉の奥から甘えた声が漏れた。
 しばらくはそうやって猫の仔のようにごろごろと甘えていたのだけれど、ふとアッシュが放り投げた本が目に入り、今度は何を読んでいたのだろうと興味を持ってパラパラとめくった。
 それは大昔にキムラスカとマルクトで起こった戦争に従軍した、マルクト人女性治癒師の手記のようで、ルークはふと興味を惹かれ、アッシュの胸を背もたれにするように体勢を入れ替えると、寄りかかって本格的に読み始めた。
 すると、いつも緩くアップにされているルークの髪を、いつの間にか解いて弄んでいたアッシュが、ルークの胸の下辺りに腕を回し、より抱き寄せると、後ろからルークの両胸を大きな手で包み込んだ。

 ぽにゅり
 ぽにゅり

 あれ、と思ったが、どこか気の抜けた無意識の仕草のような──かどうかは知らないが、性的なものは一切感じられなかったので、ルークは次第にアッシュを意識から外し、本に没頭していった。
 それはこれまでに読んだことのあるどんな従軍記録とも違っていた。
 著者は女性ならではの視点で、最前線の兵士たちの普段の姿を率直に、素朴に語っていく。大勢の兵士の中にいる数少ない若い女性ということで、その手の危機にも直面しながら、明るく、優しく兵士たちを癒し、時に叱ったりして、野戦病院から暗い影を追い立てる著者はまだ二十代の半ばと若く、ほとんどの兵が彼女よりも年上であるにも関わらず、呼び名が「お母さん」に固定されたことに憤慨したりもする。一章の最後で、ある夜、兵士たちの替えのパンツが残らず姿を消して、翌朝兵舎の外を旗のように柄も色もさまざまな男の下着が翻っていたという事件が起こる。そのミステリーの顛末を吹き出しながら読んでいるところで、ふと意識が本から離れた。
 それもそのはずで、いつのまにやらアッシュがルークの胸の部分だけシャツのボタンを外し、下着を上に押し上げて胸を剥き出しにしていたのだった。

「あの……アッシュ?」
 相変わらずぽにゅ、ぽにゅと揉んでいるだけなので、妊娠によって胸の張りと乳首の痛みを感じ始めているルークにもさして影響はないのだが……。
 声をかけても、返事はなかった。やはり上の空……というかなにか考え事をしているようだ。
 もういいや、好きにさせておこう、と本に視線を戻したとき、ふいにアッシュの指が両胸の先端を摘んだ。
 そこは今、普段より少し大きく、固くなっていて、触れると痛いくらいだ。アッシュに摘まれて、やはり痛みを感じる。
「アッシュ……? そこ、今痛いんだ……あんまり……っ」
 ルークの抗議を受けて、アッシュは指だけで触れたまま、軽く押したり、くるくると回したりし始めた。そうされると、痛みと同時にじわり……とそうでないものが沸き上がってくる。
 手から本が滑り落ち、仰け反るように頭をアッシュの胸にすりつける。息が荒くなり、微かな声が漏れ出した。
 アッシュはルークの反応を窺うように、右胸、左胸、時には両方を愛撫し続ける。この時期にはここに刺激を与えてはダメと言われたのを思い出したが、もうどうしようもなかった。

 いつまでも胸にしか触れないアッシュにもどかしさを感じ、一番弱いところに導くためにルークがアッシュの手を掴んだとき、ふいにアッシュが愛撫の手を止め、丁寧な手つきで下着を元通りに戻した。
「……ぁ……?」
 ボタンも一つ一つ止めていき、すっかり何事もなかったように元通りに戻すと、アッシュは再びルークをぎゅっと抱き締めて、甘えるように肩口に頭をすり寄せた。
「ちょっとアッシュ……」

「右」
「えっ?」
「……右だけだ」
「な……何が」
「右だけ、貸してやる」
「アッシュ……?」

 何を言っているのか分からず、ルークは中途半端に火を付けられた体を持て余して途方にくれる。
 右だけ貸す? ……右の胸だけ、貸す?
 ──誰に?
 なんのために貸すって??
「なんで右……?」
 考えても分からず、混乱のままに問いかけると。
「──お前、左の方が感じるだろう?」
 ……ますます分からない。

 内心で首を傾げるルークに気付いた様子もなく、アッシュは自身気にしていたことに結論がついてすっきりしたのか、ルークの首筋に顔をすり寄せ、甘い香りを堪能しながら、指の長い大きな手のひらで、左の胸だけを大切そうに包み込んだ。

 その瞬間、天啓のように理由が分かってしまった。
 分かってしまった自分がとてつもなく愚かに思える……どうして気付いてしまったのだろう。

 アッシュはどうしてそんな、斜め上をいくことを考えているのだ。だって、ルークはこの一年……病気療養のためにバチカルを飛び出した一年弱も含めると、二年近く、友人たちやご近所の赤ん坊の世話をしてきたのだ。授乳期にある母親の胸がどんな状態になるのかだって、知っている。お乳で張った胸を、片方といえど赤ん坊に吸わせずそのままにしておけるはずなどないのに。
 なのにアッシュは、左胸は貸さないと、『ほんのちょっぴり左胸より感度の鈍い右胸だけなら、お乳を吸わせるために赤ん坊に貸してやる』と、要するにそう、言っているのだ……!

 喉元まで「そんなこと、出来るわけないよ」という台詞が迫り上がってくる。
 が、それは口にした途端に、アルヤとの賭けの敗北に繋がる、あの禁断の言葉が飛び出してくる危険性を孕んだ台詞だったので、ルークはぐっと唇を噛み締めた。
「そ、そう……。二つしかないのに、アッシュは優しい、ね……」
 代わりにどうしようもなく頓珍漢な一言が転がり出る。
 褒めてもらって嬉しかったのかどうかは知らないが、そう言われたアッシュが後ろからルークを抱き締める腕に力を籠めた。

(イレイン先生。私は先生のおっしゃる『殿方』の躾に失敗したのか、成功しすぎたのか、どっちなんでしょうか……?)

 それともこの世でただ一人、単独でも超振動が使える唯人ならざる男は、男としても少し規格外なのかも知れない、とルークは肩を落とした……。






 すみません、多分後日書き直します! とりあえずUP。(2011.05.27)